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に生きてる」
「余裕がないだけさ。つか、善悪は抜きにしない方が良い気がするがね」
俺みたいな性格ならともかく、風花のような真面目な人間ならばそこを抜かすべきではない。
仮に彼女が俺と同じことをやっても、罪悪感に襲われるだけだ。
俺ならばそんなこと思いもしないだろう。
人間としてどちらが正しいかなどは論ずるまでもない。
「ねえ、キーくん」
「ん?」
「私が悪い子になるって言っても、見捨てないでくれるかな?」
遂には泣き出してしまった。
「……社会からあぶれた俺なんぞを見捨てずに付き合ってくれてるお前は奇特な人間だよ」
優しい言葉を吐けるような人間ではない。
薄ら寒い慰めの言葉なんて思いつきもしない俺だから――精々がこれくらいだ。
「……何か、ごめんね? 変なこと言っちゃって」
ひとしきり泣いて落ち着いた風花が謝罪を口にする。
目元は赤いが、来た時ほど追い詰められているようには見えない。
「別に。それより、丁度いいや」
これ以上この話題を続ける気のなかった俺は別の話題を振る。
「丁度いい?」
「風花、復讐代行サイトって知ってるか?」
風花は心当たりがあるのか、僅かに目を見開いている。
「う、うん。掲示板とかでも結構有名なやつだよね?」
どこの掲示板で有名なのかは知らないが、まあそれだろう。
「らしいな。ちょっと前にそこのURLをゲットしたんだ、ちょっと調べてもらえねえか?」
ちょくちょく変わるURLだが、それを追える人間がいて、ゲットしたのだ。
「ハックするってこと……かな?」
「ああ。さらえるだけの情報をさらって欲しい」
「……分かった」
部屋には風花のオーダーを聞いて組み上げさせたPCがある。
俺はそこら辺疎いので殆ど使っていないので、実質彼女の専用マシーンだ。
「これが例のURLな」
「うん。でも、どうして急に?」
PCを立ち上げながらそんなことを聞いて来る。
咎めるでも何でもなく、純粋に不思議に思ったのだろう。
復讐する相手が居るわけでもないだろうにどうして? と。
確かにそう言うことをするならば誰かに頼むより、直に手を下す性質だと自覚している。
「ちょっと気になって、な」
復讐代行サイト、仕組みは単純でターゲットの情報を詳しく記載して送信するだけで終了。
だが、不思議なことに一切の足取りが掴めないのだ。
少し前に書き込んだと吹聴していた人間を締め上げてターゲット吐かせたことがある。
俺は立ち会ってないが、便利な舎弟を使ってターゲットの監視をさせた。
だが、特に怪しい人間が身辺を嗅ぎまわっていた様子もなかったのだが……
結論から言えばそいつ
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