マザーズ・ロザリオ編
終章・全ては大切な者たちのために
PREPARATION
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霊衣》なら少しは持つ」
「……りょーかい」
大太刀を片手で肩に担ぎ、腰を落とす。リオがユージーン達に身振りで入口を指し、脱出の意図を表す。
ユージーンすらHPは六割に割り込みかけている中、流石に精鋭達だけあって行動は迅速かつ冷静だった。
翅を使って半ば滑空するようにインフェルノ・ホースから離れた4人は入口をこじ開けたリオの後を追おうとしてハタと気がついた。
「!?……レイ!!」
ユウキの悲鳴。俺はそれを頭の後で聞きながら苦笑していた。そんな必死になって自分を心配してくれる存在が当たり前にいる、この状況に。
(……はは。信じられないな、未だに)
咆哮をあげ、間髪入れず熱線を放つインフェルノ・ホース。だが……
(ん?こりゃあ……)
それはレイを焼き尽くす寸前、2メートル程前で角度がズレ、彼の視界端に映る岩山を溶かした。
「なんだ、『焔盾』で防げる程度なら問題ないな」
肩に担いだ大太刀の柄に左手を添え、ソードスキルを発動。
大太刀専用突進系ソードスキル《山津波》
距離を詰め、全身を回転させながら縦に敵を割るだけの超のつく単純な技だが、一定以上のバランス感覚がないと距離を詰めるときに派手に転ぶという困ったソードスキルだ。
岩のようにゴツゴツした脛から蹄まで切り裂き、返す動きで更に深く斬り込んだ。
「ヒィィィン!?」
脛を守っていた甲殻がバキッ、とヒビが入り、反撃の黒炎が俺を包もうとするが間一髪のところで身を引く。無傷とはいかず、HPが数ミリ減少、残りは8割強になった。
(……さて)
前足を折って動かずにいるインフェルノ・ホースを尻目に俺もまたその場から脱出した。
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合流地点に決めていた火山エリアへの入口ではユージーン指揮下の下、罠アイテムや任意発動出来る遅延発動魔法等が張り巡らされた簡易迎撃ポイントが敷設されていた。
「……戦うんですか?」
「足止めのつもりだったのだがな。お前が無事に帰って来れたから作戦変更だ」
「……分かりました」
ユージーンの作戦は短時間だったためか、単純なものだったが効果的に思えた。
遅延発動魔法を管理するのは側近達、彼らは準備した魔法が尽きると回復役に回る。憎悪値を管理するのは耐久力と体力が高いリオとユージーン。側近達はいい顔をしなかったが、上官の決めたことには異議を唱えなかった。
そして最後の俺とユウキがアタッカーとして敵のHPを削る。ただし、憎悪値がたまりすぎないように少しずつ。
しかし、最後にユージーンはこう締めた。
「先程の戦闘の結果、インフェルノ・ホース
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