暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
マザーズ・ロザリオ編
終章・全ては大切な者たちのために
PREPARATION
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ース3匹の内一匹を撃破する。

「こんなものかな?」
「ああ。大分集まったな」

ユージーンとコンビを組んで5匹を相手に無双しているユウキを眺めながらリオに応答する。やけに群れてポップするディバイン・ホースは旧SAOのモンスターであり、25層において少なくない命を食った。
当時、血盟騎士団の前身である『ファームユニオン』のフォアードでそれなりの地位に居た俺は最初の遭遇でパーティーメンバーを全滅させかけ、本当に偶々、傍で別のパーティーを率いていたヒースクリフの援護が無ければ危うく禁忌を破る所だった。

……そのおかげでヒースクリフが茅場だという確信を持ち、後に75層のあの瞬間に至る長いシナリオを構成することになったのだが。

―閑話休題―

その区域にいたディバイン・ホースを全滅させるとストレージも十分に埋まり、後は帰還するだけとなった。

SAO時代の記憶ではここにネームドMobはポップしないはず……。

「……だよなぁ、リオ」
「……変更されてたんだな。まあここ一応ダンジョンだし」

冷や汗を垂らしながらノーモーションで突然放たれた極太の熱線をかわす。
以前、俺の大太刀《蓮華刀・紅桜》を作成するにあたり倒した大型ボスも同じような技を使ったものだが、ある意味こっちの方が質が悪いかもしれない。

フィールドボス《インフェルノ・ホース》

「フルルッ……!!」

姿はさっきまで戦っていたディバイン・ホースの巨大版、鬣の炎増量的な感じだが、一番の特徴としてノーマルサイズ連中と―――いや、一般Mobと一線を隔す大きな違いがあった。

「っ……また!?」

戸惑ったようなユウキの声。熱線を放った後の硬直時間を狙って斬撃を打ち込むが、インフェルノ・ホースは鬣と同じ色である黒炎をまとい、ユウキを寄せ付けない。
ユージーンやその側近達も一度や二度斬撃や魔法で攻撃するが、インフェルノ・ホースは現在、それら全てをかわし、防いでいる。

異常なまでの学習能力とそれを完璧に制御する高レベルのAI


(……やっかいな)

加えてその巨体で繰り出すギャロップステップにより、岩山に囲われてるこの場では逃げ場所が殆どなかった。

辺りを見回す。

入ってきた入口にはボスと同時にポップしたディバイン・ホースの群れ。空にはどこからともなく沸いた怪鳥の群れ。つまり、万事諦めて戦えと言うこと。ならば……

「リオ、入口のディバイン・ホースを片付けろ。脱出だ」
「……向こうさんはどうする。フィールドボスって事はひょっとすると生息域(25層)に居る限り追ってくるぞ?」
「分かってる。だが、サラマンダー勢にアイテムドロップさせたら科がこっちまで及びかねん。だからこの岩山からは出さない。……俺が殿をやる。《灼焔
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