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俺の(私の)りあるおにごっこ
アイツのいる学校に編入してまった。

[8]前話 前書き
 教室に足を踏み入れたと同時にこの身に降り注いだのは生徒からの多数の視線。
 好奇心を孕んだそれと小さな話し声を耳に俺はこれからクラスメートになる男女達の正面、黒板の側までサリさんを従え歩む。
 アメリカとは全く違う授業体系、環境を思い浮かべながら俺は皆の前に立った。

「今日から皆と一緒に勉強する六道六花君だ」

「はじめまして。六道六花です。日本はおよそ六年ぶりで勝手がわからないところがあるかもしれませんが頑張って覚えますのでよろしくお願いします」

 自分なりに当たり障りのない挨拶をする。


「ハイハイ!」

「こら八神! まだ質問の許可は出してないぞ?」

「えぇやん先生。あ、私八神はやていいます。六道くん日本は六年ぶりって言ってたけどもしかして外国にすんどったんですか?」

「よろしく八神さん。質問の答えですが僕は先月の頭までアメリカに住んでました。日本には家の事情で戻ってきました」

 おぉ、帰国子女! と八神さんがテンションを上げて他の生徒もそれに便乗して何か英語で喋ってくれと言ってきたので適当に趣味や好物を英語で話してあげた。
 結果掴みは上々。これならこの学校生活も何とかなっていきそうだ。

「あ、あと皆さんも気になっている彼女ですが」

「皆様お初に御目にかかります。六道家長子六花様の侍女を勤めさせていただいておりますサリ・エドワードと申します。この度六花様のお世話の為、皆様と御一緒させていただきますのでよろしくお願いいたします」

 サリさんの挨拶にクラスメートは首を傾げる。
 流石に説明不足だったかなと思い俺は彼女に指示をだした。

「サリさん。袖口を捲ってくれるかな?」

「・・・よろしいのですか?」

「かまわないよ」

「・・・では失礼します」

 指示どうりにサリさんは俺の左腕の袖口を捲っていく。次第に声が小さくなっていくクラスメート。
 最終的にクラスメートはただ呆然としたまま俺をみていた。

「彼女が一緒なのは手が使えない自分の世話をするためです」

 クラスメートに向かって差し出す左腕。俺の左腕は肘から先が存在しない。クラスメートはそんな俺を痛々しい眼差しで見詰める。

「こんな成りではありますがこれでも楽しくやってるんで皆さん仲良くしてやってください」

[8]前話 前書き


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