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占術師速水丈太郎  ローマの少女
第二十章
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べます」
 速水は答えた。実は彼はイタリア料理が好きなのだ。和食も好きだがイタリア料理の店に足を運ぶことも多いのである。
「特にパスタが」
「いいですね、それは」
 アンジェレッタの言葉が弾んでいた。かなり嬉しいらしい。
「何よりです」
「パスタはお好きですか?」
「私の大好物の一つです」
「では今宵は」
「まずはパスタです」
 にこやかに述べる。イタリア料理ではまずパスタが出されることが結構多いのである。
「そしてそれからサラダ、魚と続いて」
「メインディッシュですか」
 速水はそれに問う。
「ワインも魚用と肉用を揃えてあります」
「白と赤で」
「勿論」
 話が快く進んできた。いい流れであった。
「両方あります」
「よいことです」
「ワインがお好きなようですね」
「はい」
 声がにこやかなものになっていた。速水もアンジェレッタも話が乗ってきているのをはっきりと感じていた。
「イタリアのワインはその中でも」
「それは実によいことです」
「ところで」
「はい」
「こちらでは日本のワインの評判はどうでしょうか」
 次にイタリアワインの評判について尋ねてきた。


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