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弱者の足掻き
三話 「移動と方針」
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ない
しかし眠気覚ましの為と、息を吹きかけながら何とか熱いお茶を飲んでいく。うん、美味い

「はぁ。そういや鍛えてるって言ってたが、どの程度のことまで教えられてたんだ?」
「ふーふー、あちち。……えーと、苦無とかの簡単な使い方とかと、後はチャクラについての基礎知識です。お父さん達の昔の教科書とか読んでました」
「そうかい。……ってことはあれか、なんか術使えたりすんのか?あれだ、確か変化の術とか」
「一つか二つ程度なら。変化なら一応何とかできます」

これから一緒にいるのだから、これくらいなら大丈夫だろうと返答を返す
本当は教科書に載っていたものならもう少し数出来るのだが、全部言う必要はない。あくまでも、不自然にならない程度を考えて言葉を喋る
諸事情により、親が死ぬ前からがむしゃらになって覚えようとしていたこともあったため、同年代から比べればその分跳び抜けているのかもしれない。もっとも、比較対象などロクに思いつかないが
とはいっても、教科書レベル以上の高いのはちゃんと出来ない。出来てまだEランクだこの野郎。その分制御の方は力を入れているが
聞きたいことを聞いて何か考えているのか、黙ってお茶を啜り始めた相手を見てこっちもお茶を少しずつ飲んでいく
やっぱりお茶は熱いのに限る。まじ美味いわこれ

「はい、お待ちどう様。山菜蕎麦二人前とみたらし五本です」
「美味そうだなこりゃ。御代は?」
「百と四十です。それとお客さん、どこに向かうつもりだい?」
「このまま真っ直ぐに国の端の方へだよ。今日はその途中の村にでも寄ってくつもりだ。はい、御代」
「毎度あり。ではごゆっくりー」
「んじゃ、食うか」

運ばれてきた蕎麦を啜る。手打ちオンリーなこの世界の麺類はコシが強いものが多い。この蕎麦もそれに外れずコシが強く、さっぱりとした味の汁とあって美味い。
ちゅるちゅると麺を啜って噛んで飲み込み、お茶を飲む。了解を取ってから団子を一本貰い、食べてお茶を飲む。うん、実に美味い
やはり子供だから食べる量が少ないのか、お腹が一杯になりながらもなんとか自分の分を完食。見れば既におっさんはとうに食い終わって二杯目のお茶を啜りながらこっちを待っている
こちらが食べ終わったのを確認し、立ち上がったおっさんに続いて荷物を持って立ち上がる

「ごちそうさん。器はここに置いとくよ」
「はいよ、ありがとうございました。この先は段々と寒くなって、道によっては雪もあるから日のあるうちに急いだ方がいいよ。ああ、あとそう言えばこの先で数日前に山賊が出たらしいから気をつけなよ」
「ご忠告どうも。それと、この先にある村について何か知ってるかい?」
「この先の村? 夕刻頃には着けると思うよ。えーと、確かあの村は……」

おっさんの質問を受けた器を下げに来た店
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