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レインボークラウン
第六十一話

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                  第六十一話  リーダーとして
 梨花はクラウンのリーダーである、だから常にグループのこととメンバーのことを考えている。そしていつも的確な行動を心掛けている。
 その彼女が自分の部屋で考えていた、そのうえで自分の使い魔であるピエールとジュリエッタに言うのである。
「皆どう思ってるのかしら」
「クラウンの方々がですね」
「新しく来る転校生の方について」
「そう、そのことがね」
 気になってだ、それで今言うのだった。
「どうしても気になるのよ」
「お気になされ過ぎでは?」
「あの方々ならです」
 ピエールとジュリエッタは敬愛する主に述べる。
「特に問題なくです」
「対応されると思いますが」
「そうだけれどね」
 梨花もメンバーのことはわかっている、それでだ。
 このことについて確かな顔でだ、こう言えた。
「あの娘達ならね」
「そうです、トラブルはないでしょう」
「あの方々からそれが起きる様なことはされません」
 二匹もこう言いはする、しかしだった。
 ここでだ、梨花は二匹に心配する顔で述べたのだった。
「問題は転校生の娘だからね」
「その方がどういった方か、ですね」
「そのことが問題だというのですね」
「一方に何もなくともね」
 だが、だというのだ。
「もう一方に問題があれば」
「その時はですね」
「トラブルが起こるというのですね」
「そうでしょ、トラブルは一方が大人しくしていても起こるでしょ」
「確かに、もう一方の方に問題があれば」
「そうなります」
 ピエールもジュリエッタもそのことはわかっていた、それもよく。
 そうしてだ、こう言うのだった。
「問題は転校生の方ですか」
「どういった方であるかが」
「そう、今からあれこれ考えてるの」
 その転校生がどういった人間かが、というのだ。
「悪い娘じゃないといいわね」
「ですね、確かに」
「そうした方なら」
「性格が悪くてしかも魔力が強いと」
 この二つが合わさっていればその時はだった。
「もう始末に負えないわよ」
「性格の悪い強大な魔女ですか」
「そうした方なら」
「ええ、どうすればいいかしらね」
 こう話す梨花だった、とにかく転校生がどういった人間かを危惧しているのだった。
 それで今自分の部屋であれこれ考えていたが妹の利奈におやつに誘われ考えることを一旦止めたのだった。


第六十一話   完


                              2013・8・12
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