Capturez le bombardier tombe
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方になった頃。
ユーラは外の様子が気になったので、眠ったエレーナをおいて一人外へ出た。
恐る恐る海岸の方へ足を進める。
そして海岸から街を見ると...
酷い有様だった。
海岸への石造の門は跡形もなく崩れ去り、島の至る所から煙が上がっていた。
「な...なんで....」
少しずつ、街の方へ行ってみる。
門をくぐるとますます酷いものだった。
地面に転がる島民の残骸、もはや形をほとんど残していない建物たち。
恐怖で足が動かなかった。
死臭が鼻をつつき、粘り気を持った血溜まりがユーラの足を奪おうと絡みつく。
そこは...地獄だった。
苦悶の表情で焼けただれた焼死体などいくらでもあった。
「そうだっ...お姉ちゃんは...!!」
急いで家へ走る。
その時彼の頭の中には姉のことしかなかった。
家の形は比較的綺麗だった。
勢い良く扉を破る。
「お姉ちゃんっ!!」
玄関に人はいなかった。
「お姉ちゃん...どこっ...?!」
しかし姉の姿は意外にすぐ見つかった。
「っ....!!」
キッチンで、死んでいた。
「お姉ちゃっ...」
「動くな!」
突然後ろから声をかけられる。
「誰っ?!」
「動くなと言っている、動けば殺すぞ!」
「お前達か...」
ユーラの拳は固く握られていた。
「お前達が...お姉ちゃんをっ...!!」
「そいつは餌だよ...」
「何っ...?!」
別の男の声がしたと思ったその瞬間。
後頭部に激痛が走り、ユーラの意識は凄まじい早さで消えた。
「...隊長、良かったんですか?」
「ああ、これでいい。」
「こちら第一特殊派遣隊、ターゲット捕獲。抵抗はなかった。」
『了解、厳重に搬送してこい。』
「ミッションコンプリート、か。」
「よし、撤退するぞ。」
「この島はどうします...?」
「いいさ。どうせ誰も知らなかった。」
「焼いておきましょうか...?」
「無駄なことはするな。帰るぞ。」
「了解!」
―――Operation "Capturez le bombardier tombe." est terminee.―――
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