人鬼―ヒトオニ―3
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次の日、純平は授業に出られるほどに回復した。
朝 学校に着くと、真っ先に晴樹を探し昨日できなかった礼をした。
晴樹は、純平に礼を言われるといつもと変わらずへらへらと笑い「んなの良いっての。」と答えた。
いつも通りの友人の反応に、純平の心は落ち着きを取り戻していった。
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*噂*
それから、数日経った。
あれ以来、おかしなことは起きていない。
純平も、以前と変わらず過ごしていた。
しかし、世間では変なうわさが流れるようになっていた。
「ねぇ、知ってる?」「なにを?」「バネ足ジャックの噂」「知ってる知ってる。」
バネ足ジャック。
よく知られる年伝説でよく知られる『切り裂きジャック』の十数年前に現れた、もう一人のジャックらしい。
切り裂きジャックと同じで、年伝説的存在だが、切り裂きジャックよりも幻想的(または奇妙な)存在だ。
バネ足ジャックは、銀色の衣装に身を包み消防士、または警官と偽って女性宅を訪問、出てきた相手に火を噴きかけたり、ナイフで切りつけたりして逃走したと言う。
連続するバネ足ジャックの凶行の現場に駆け付けた警察官は、バネ足ジャックが その名の通り、足にバネでもつけているかのように飛び上がり、数メートルの塀を跳躍力だけで飛び越えて行ったそうだ。
しかし、今回のバネ足ジャックは少し様子が違った。
跳躍力だけで数メートルも跳びあがり、何処かへ逃げ去るのは同じだが、
この日本で出現したバネ足ジャックは見た目が違い、パーカーの着いた黒い服を着て、真っ白なマスクを付けているらしい。
犯行が行われる場所は必ず、十字路と決まっていた。
場所が場所なだけに、無差別と思っている人が多いようだが、一部の人が言うには『不正を犯している人を狙っている。』らしい。
それ故に、熱狂的なファンも存在するようだ。
正直、どんなに不正を犯した人を狙っていたとしても犯罪者は犯罪者だ。
そう思い、純平はその噂を嫌っていた。
「なー!ジュンペー!今日の新聞見たかよ!?また載ってたぜー!?」
晴樹も、バネ足ジャックの熱狂的なファンの一人だった。
「なんか、まるでヒーローみたいだよな!俺が昔好きだったヒーローに似てるぜ!闇にまぎれて悪を討つ!かーっけぇー!!!」
「…お前は小学生か。ヒーローヒーローって…来年 俺達3年だぞ?もう少し受験や就職の事を考えて…。」
「わかってるってーの!おめーまで親父みたいなこと言うなよ…。俺だって、もう少し夢見ていてーんだよ…。」
「そもそも、犯罪者は犯罪者だ。俺は好きになれねーよ。それに、道具も無しに跳躍力だけで数メートルも飛びあがるなんて信じらんねーよ。ぜってーなんかの見間違いだ。」
「
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