第四十話 少年期【23】
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俺たちの初めての運動会が終わって早1ヶ月が過ぎた。一大イベントが終わると、その後の月日が過ぎていくのをとても早く感じる。秋晴れが続いていた空は、今では冷え込みが強くなっており、冬の到来を実感するようなそんな肌寒さになっていた。
こんな季節になってくると、朝がものすごく辛くなる。低血圧では特にない俺でさえも、ふとんから抜け出すのが非常に困難になるのだ。仲の良い妹とさえも一緒に寝ていた頃は、仁義なきふとんの取り合いを繰り広げたほどである。何が言いたいのかというと、俺はふとんを愛しているのだ。アイラブふとん。このまま眠っていたい。
それでも学校に行く朝はしっかり起きるようには頑張っている。アリシアは朝があまり強くないので、忙しい母さんの代わりに俺が毎朝起こしに行く必要があるからだ。ぐっすり眠りたい欲求はあれど、それは出来ないので我慢するしかない。
そんな平日を過ごしているからこそ、休日ぐらいはゆっくり休みたいのだ。俺はいつも7時前に起床している。だからもう2、3時間ぐらいふとんに丸まっていてもいいはずだろう。そのため休日の日は目覚ましをかけず、惰眠を貪るのが最近の俺の小さな楽しみであった。
「……そんな俺の幸福タイムをどうしてくれるんですか。俺って一度完璧に目が覚めると、二度寝ができなくなるのにッ!」
『健康的でよかったじゃないか』
何この俺様孫様副官様。俺の部屋に立て掛けられている時計を見ると、8時を少し過ぎたところだ。いつもよりかは遅いが、本来だったらまだまだ寝ていられたはずなのに。コーラルから地上本部からの通信だと起こされ、寝ぼけたままはまずいため、俺は慌てて顔を洗ってきたのだ。
副官さんは休日だろうと早朝出勤して、仕事に精を出すワーカーホリックな19歳だ。花の十代がそれでいいのか、と思うけど本人がそれを苦に思っていないのなら口出しするべきではないか。いやでも、そのせいでこうして休日でも俺に通信が届くのだから、やっぱり休日は休むべきだな。だいたいミッドって仕事人間が多すぎるんだ。もっと何か趣味作れや。
「それで結局どうしたんですか。何か地上本部でありましたか?」
『あぁ。今朝、総司令官がな…』
とりあえず、もう起きてしまったことは仕方がないので本題に入る。俺は2週間に1度ぐらいは定期的に報告や仕事のために、地上本部へ通うことになっている。だけど、時々こうして総司令官か副官さんから連絡をもらうことがある。その内容は急ぎの用事であったり、密談であったり、早めに報告する必要がある場合であった。
そういう理由があるからこそ、地上本部から連絡が来たときは俺だってできる限り応えようといつも思っている。もしミッドの危機なんかが起こったのなら、迅速に協力できるように準備しておく。おじいちゃ
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