第四十話 少年期【23】
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んからの密談では、全力で話に乗る。地上本部から連絡が来たら、いつも真剣に対応していた。そう考えているからこそ、俺は副官さんからの言葉をじっと待った。
『今日の朝からずっと総司令官の様子がおかしいんだ』
「おじいちゃんが? まさか体調が悪いんですか」
あのおじいちゃんが、と思ったがアレであの人は70代なのだ。もう引退していてもおかしくない年齢なのだが、未だに総司令官が働いているのは彼の後釜に入れる人材がいないからである。少なくともおじいちゃんがトップに立っているからこそ、地上は安定出来ているのだ。彼ほどの実績とキャリアがあると、お偉いさんや本局の人たちの態度も違うらしい。
前に副官さんから大雑把にだが、そうローバスト総司令官のことを聞いていたので俺は不安になる。だがそんな俺の返しに、副官さんから「違う」と一言で否定された。なら総司令官の身に何が起こったというんだ。俺は考えを巡らせながら、静かに通信の声に耳を傾けた。
『今日の朝から総司令官が、……めちゃくちゃ機嫌がいいんだ』
「…………健康的でよかったですね」
さっきまでの俺の気持ちを全部返せ。
「え、ちょっと待って。要件本当にそれだけですか」
『それだけだと。お前はこの緊急事態がわからないのか!?』
「これでわかったら逆にすごいですよ。おじいちゃんの機嫌がいいと何が起こるって言うんですか?」
『大概俺に何かとばっちりが来る!』
なんか納得した。そして、ご愁傷様としか思い浮かばなかった。
『という訳で、お前何か知っているだろう。また総司令官と計画立てたんだろう。さぁ、吐け。今すぐ吐け!』
「俺に対する信用度ゼロ!?」
『俺のストレス要因の3割4分が何を言ってやがる』
「数字が妙に生々しい!?」
通信越しにヒートアップする、そんな7歳と19歳の冬初めの朝だった。
『……お前、本当に知らないんだろうな』
「今回は濡れ衣ですよ。まだ総司令官と何も計画は立てていません」
『自分の発言に信用されない理由を考えろ』
お互いに少し落ち着いて、改めて話し合いに持ち込むことにする。と言っても、今回のおじいちゃんがご機嫌な理由を俺は思いつかない。本当におじいちゃんが副官さん関連で何か考えているのなら、独断ということになる。
何よりただ機嫌がいいというだけで、副官さん関連なのかはわからないじゃないか。おじいちゃんにだって嬉しかったことがあったとか、家族との間に何かがあったとか理由があってもおかしくない。
「副官さんの考えすぎってことはないですか。おじいちゃんの奥さんとの結婚記念日だとか、お孫さんの結婚式があるとか、そんな理由かもしれないですよ」
『孫言う…! ッごほん、た、確かにありえなくはないか。最近は総司
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