暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第十三話『輝く世界へ』
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時刻はもうすぐ八時を過ぎる。予鈴の時刻はまだまだ先ではあるが、自分が探している待ち人がこない。
彼女がある理由から、ここで待ち人を待ってから既に20分は経過している。その間に何人ものクラスメイトを見かけ、時には挨拶を返したが、目的の人物が来た様子はない。
(……もしかしたら、既に教室の方に……)
自分の行動は肩透かしに終わったのか、言いようのない不安に駆られかけた。その瞬間――
「よぉ。なにやってんだ、セシリア?」
「ひぁっ!?」
少しだけ意識を思考に向けた瞬間に声をかけられ、思わずセシリアは変な悲鳴を上げてしまった。
「わ、悪い。驚かせたか……?」
声をかけた人物は、彼女の様子に少しだけ戸惑いながらそう言葉を紡ぐ。
「し、真行寺さん……!?」
彼女はといえば、目の前の人物の登場に少しだけあたふたとしている。
それもその筈、彼女が待っていた待ち人は、目の前にいる少年――修夜だったのだから。
「あ〜、セッシーだ〜。おはよう〜♪」
「お、おはようございます。織班さん、篠ノ之さん、布仏さん」
その後ろから、一夏、箒、本音と彼女のクラスメイトが近づいてくる。
「おはよう、オルコットさん」
「ああ、おはよう」
彼女の挨拶に、一夏と箒もそう返す。
何気ない朝のやり取りで固まりかけた思考をほぐし、セシリアは徐々に平静を取り戻していった。
「もう、体調は大丈夫なのか?」
修夜はどことなく身を案じるように、セシリアの調子を訊いてみる。
「ええ、一晩ゆっくりと眠りましたから」
「そっか……」
セシリアの答えに修夜は安堵し、自然と笑顔を見せるのだった。
「それより、オルコットさんは何してたんだ?」
二人のやり取りに対し、すこし強引に一夏が質問を挟んできた。
無論、一夏に悪気はないが、ときにこの男は妙に雰囲気を察することが下手なときが多い。
しかし一夏の質問自体は、修夜も得てして気にかかったことだった。
「もしかして、誰か待っていたとか……?」
あり得そうなことを、とりあえず修夜は口に出してみた。
「はい、あなた達を待っていたんですわ。正確には、真行寺さんと織班さんのお二人なんですけど……」
一夏の答えに、彼女は少しだけ真剣な表情で答える。
「俺達を……?」
名前を呼ばれ、互いに顔を見合わせる二人。
そんな二人に対して、セシリアは襟を正して向かい合い、少し呼吸を置いて二人を真っ直ぐに見据えた。
そして――
「真行寺さん、織班さん……先週の暴言、まことに申し訳ありませんでした」
そう言って、セシリアは深々と頭を下げてた。
その様子に、修夜を除く三人は少しだけ驚いた。
昨日までの、プライドの塊のようなセシリアしか知らない者からすれば、彼女が素直に謝罪をしてくることが意外だった。
ややのんきな……否、若干
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