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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第十一話『夢』
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いうことなのか。
……待て待て、待てっ、そこで納得するな、俺っ!!
「いや、そういう問題じゃなくてな!? 何で、主任のお前が学園に住む事になるんだ!?」
あまりに突飛な発言に、俺はさらに問いただしにかかる。
技研にいる徹二のおっさんとかならまだ分かる。だが、主任自らが学園に住むってのは問題ありすぎるだろ!?
「理由は幾つかあるけど、一番の理由は、ASBLの調整やエアリオルの整備が僕にしか出来ないからだね」
にじり寄る俺に、苦笑しながら少し引き気味の態勢になる拓海。
熱くなっている俺を制しながら、拓海は説明を続ける。
「それになにより、稼動データを取るのにはここにいた方が何かと都合がいいし」
正当な理由だが、問題はそこではない。
「そもそも、蒼羽技研の方はどうするんだよ!?」
主任のコイツがこの学園に来ることは、すなわち蒼羽技研の現場を預かる責任者がいなくなることを意味する。
いくらクセモノ揃いの職人集団であろうと、何かしらの非常時に責任者が不在では問題にしかならない。
そうなれば、蒼羽技研の信用そのものを揺るがす一大事になるのだ。
「まぁ、出てくる前に仁美さん達には、今後に関する指示は出しておいたし、時々顔を出しに行くから問題ないはずだよ」
なのに、この技術バカはケロリとした顔で、しかもあっさりと『問題ない』と言ってのけた。
「大体、僕がいないからって作業が止まるほど軟な人達じゃないのは、修夜だって知ってるだろ?」
それを聞いて、俺も技研のみんなを思い出して言葉を詰まらせてしまった。
確かに、あそこにいる人達は、彼らの携わる分野では無名と言えど、腕は確かと言われる人達ばかりの集まりなのだ。
相沢拓海と言う指針が現場にいなくとも、指示さえあれば確実に仕事はこなせるだろうことは、あそこを知っている人間ならば容易に想像がつく。
なにより全員が全員、お互いの腕前と仕事を信頼し、認め合っている。そんな感じだ。
特殊合金の武器だろうと、零落白夜の一撃だろうと、彼らと拓海の絆にはひっかき傷すら付けることは叶わないだろう。
そいつを引き合いに出されたら、もう何も言えなくなる。
「……はぁ、分かったよ。お前が言う事なら、俺がとやかく言ってもしゃーないよな……」
なんとか自分の溜飲を下げ、拓海の身体の距離を正す。
「分かってくれたようで何より」
拓海はいつもと変わらない笑顔で、俺に笑い返してきた。
ホントに、コイツの度胸と前向きさには、頭を下げたくなるところがあるな……。
「さて、僕は千冬さん達の所に行って来るけど、修夜はどうするんだい?」
俺との問答が終わった拓海は後ろを振り向き、機材を片づけながら言ってきた。
「そうだな……」
拓海の問い対して、俺はひと呼吸して考えを巡らせる。
一方、拓海は手際よく機材をアタッ
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