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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第十一話『夢』
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話では、そもそも白式『自体』の燃費も“大変悪い”らしい。
本体の燃費だけならまだしも、零落白夜はそこに『輪をかけて』燃費がひどいのだという。
たとえば、瞬時加速(イグニッション・ブースト)と呼ばれるシールドエネルギーを消費する超加速を使用した後に、零落白夜を起動させた時点で、白式のシールドエネルギーはスッカラカンも同然なのというのだ。
最初から零落白夜を発動させ、瞬時加速を自重しても、拓海の計算では1分も保てば上等らしい。
大きな力には、それ相応の対価が付きまとうということだ。
「まあ、分かっていても、一回二回じゃすぐに感覚なんて掴めないもんだよ」
拓海の言葉に、俺も「まぁな…」と言って同意する。
俺は拓海との起動実験で以前からISを動かしてはいるが、一夏はここ一週間での訓練が初のISの操縦だった。そこにきて、訓練用の量産型IS・打鉄での練習だけじゃ、こんな玄人向けともいえるピーキーな性能を制御しろと言っても無理がある。
むしろ、白式のピーキーさをものともしなかった一夏の才能は、常識で考えれば驚くに値するだろう。
「あの“クセ”も出ちゃってたし、今ごろは千冬さんにこってり搾られているかもね」
苦笑しながら、さっきまでの試合を楽しげに見なおす拓海。
「……千冬さんだけならまだしも、最悪の場合は箒まで参戦してそうだな…」
俺は思わず心の中で、一夏に向けて合掌をした。
一夏は昔から、調子が上がりはじめると、気持ちが浮ついて勢い任せに行動することがあるという、悪癖を抱えている。
そして悪癖が発動すると、無意識のうちに『左手を握って開く』という動作を繰り返すのだ。
俺も試合の最後の辺り、アイツが突っ込んでくる少し手前に、左手の動きを確認している。
どうやらあのクセも、どこかお調子者な部分も、まだまだ直っていないらしい。
「ああ、それと言い忘れてたけど……」
一夏の悪癖に嘆息していると、拓海が作業を中断してこちらを見てきた。
「今日から僕もここに住む事になったから、よろしく」
そう言って、こっちに微笑みかけてきた。
そうか、拓海も学園に――――。
……。
…………?

「……はっ?」
さらりと告げる拓海の言葉に、思わず呆気に取られる俺。
……ってか、なんじゃそりゃああぁぁっ!?
「ちょっと待て、拓海。そんな話聞いてないぞ!?」
あまりの突然さに驚く俺……ってか寝耳に水だ、このバカっ?!
「うん、今言ったばかりだしね」
そしてそれをさも当たり前のように、そんな答えで返すなよっ!!
「とりあえず、事情を説明しろ、ジ・ジョ・ウ・をっっ!!!」
思わず声を大にて、俺は拓海に詰め寄った。
「まぁまぁ、心配しなくても、学園の許可は貰ってるよ。学生としてでなく、外部協力員の整備士として……だけどね」
なんだ、そう
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