暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第十一話『夢』
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「あ〜、疲れた……」
保健室から走って会場に戻った俺は、拓海が即行で再調整したエアリオルを装着し、一夏との試合に臨んだ。
オルコットととの激戦で、射撃武器がことごとくオシャカになったことで、図らずも俺と一夏は昔のように剣術での真っ向勝負で雌雄を決することになった。
そして20分近い立ち合いの末、試合を終えて今しがたピットルームに帰還したところだ。
「お疲れ、修夜」
ピットルームに入って呟く俺に、拓海がそう声をかける。
なお一夏と箒、そして千冬さんは、1試合目でオルコットのいた逆サイドのピットルームに移っている。
俺が保健室から到着したときには、既に3人ともそっちに移動してここでは見ていない。
……何故か、試合前にはいたはずの山田先生も見当たらないが。
「どうだった、一夏と戦った感想は?」
オルコット戦のあとと違って、拓海の顔はいつもの穏やかなものだった。
なにより、久しぶりに俺と一夏の戦いを見れたことが、とてもうれしかったらしい。

「僅か数回の起動と言う割には、良い動きをしてたかな」
拓海に率直な感想を返しつつ、俺はエアリオルを待機状態に移行させる。
「ただ、無駄な動きも多いな。事前に聞かされてた単一仕様能力|《ワンオフ・アビリティー》に振り回されてたし」
拓海に近づきつつ、さっきまでの試合の流れを振り返ってみると、真っ先に思い出したのが一夏の行動だった。
《最後のあれなんて、自滅に近かったよねぇ……》
俺は苦笑を浮かべ、シルフィは呆れた声を出す。
「白式の単一仕様能力『零落白夜(れいらくびゃくや)』は、相手のエネルギー武器の攻撃やバリアを無効化出来る、かなり強力なものなんだけどね」
『零落白夜』、それが一夏のIS・白式に宿った力である。
単一仕様能力は本来、歴戦のIS操縦者にのみ宿る“強さの証”だ。ところが白式は、何をどうまかり間違ったのか『最初から』単一仕様能力が使えるよう設計されている。
歴戦を経て、いまだその域に達しえない操縦者が聞けば、おそらく嫉妬に狂うか白式を強奪しようとするだろう。
その力もまた強大だ。
エネルギー攻撃の無効化、つまりビームやレーザーの類いを一切寄せ付けないのだ。昨今の武器がエネルギー依存に傾く中で、白式は条件次第で無敵の強さを発揮できる。
そればかりか、シールドエネルギーの減衰を緩和するための強力なバリアさえ、零落白夜の力を宿した攻撃の前には紙くずに等しい。
零落白夜の力の前には、あらゆるエネルギー兵器が屈服する運命となるのだ。
だが……。
「反面、自身のシールドエネルギーを使用し、かつ燃費の悪さは相当なものだからね」
どんなにすごい力でも、使い勝手が悪ければ困りものだ。
白式の零落白夜は、確かにすごい。すごいのだが、燃費は“異常”と言えるほど悪いのだ。
拓海の
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