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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第八話『蒼空舞う風獅子の翼・後編』
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残量は、セシリアの突きの雨で195まで削られてしまった。
再びの手詰まり。
そのときだった――。
《マスター、ソニックのデータの量子転換(インストール)、今度こそ全部終わったよぉっ!!》
瞬間、修夜は脊髄反射でバーニアを吹かしてその場を一気に離脱する。
急激な加速の余波に、さすがのセシリアも仰け反って攻撃の手を止めてしまった。

――――

300m上空まで一気に駆け上がった修夜は、とりあえず一息ついた。
そして深呼吸の後、眼下に待ち構えるセシリアに目を向けた。
とんでもないヤツにケンカを売ったものだと、改めて修夜は自分の血の気の多さを悔いた。
同時に、今までどこかで舐めてかかっていた、セシリア・オルコットという少女への評価を改めようと決めた。
「コイツが初戦でよかった――」
そう、自分に呟いてみせた。
思えば、逆境とトラブルだらけのデビュー戦である。
すべての発端は互いの意地の張り合い、とどのつまりただのケンカである。
それが今こうして、お互いの意地と実力を全力でぶつけ合う“決闘”と化している。
「…癪な話だけど、コイツはオルコットに“感謝”しなきゃな……」
またそうこぼすと、修夜は顔を引き締めて態勢を整える。
「シルフィ、今さらだけど、イーグルハンターとスラッシュネイル以外に間に合っている武装は?」
《ミサイルランチャー……だけかな、小型で追尾性は高くないけどそこそこ威力はあるよ》
本当に今さらである。
事前にソニックのコンセプトと武装は拓海から聞いていたため、武装一式は把握しているつもりだった。
しかしながら、いざ実戦となると緊張とセシリアの気迫に押されて、思った以上に頭の回転は鈍くなっていた。
「イーグルハンターの残弾は?」
《え〜っと、あと……20発…だね…》
不安そうに返答するシルフィに対して、修夜は何かを決めたかのよう、よしと言って頷いた。
「じゃあ、スラッシュネイルをイーグルハンターに換装してくれ」
《了か……ぃ、いいぃぃぃいーっ?!》
しれっとそう言った修夜に対して、シルフィは素っ頓狂な声を上げて驚いた。
《ちょっとちょっと、マスター! さっきまで50発以上撃って、カス当たりを含めて命中率が32.6%だったんだよ!?》
「あぁ、たしかにそんな感じだったな」
撃っても弾が足りないと暗に忠告するシルフィに対し、修夜はそれがどうしたと言わんばかりに平然としている。
《も〜〜ぅ、何か作戦でもあるワケ…!?》
そうぶつくさともらしながら、シルフィはスラッシュネイルをイーグルハンターに換装する。
それに対して修夜は、
「ない」
きっぱりそう言って、イーグルハンターの銃把を握り締めた。
それを聞いたシルフィは、無いはずの総身の力から抜けるような感じを覚えるのであった。
「作
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