暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第八話『蒼空舞う風獅子の翼・後編』
[3/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
がコンピュータ世界に侵入したり、物体をデータ化して転送している、あれと同じ感じというぐらいの認識で構わないはずだ。
この技術を応用して、ISにはあらかじめ予備の装備をしまっておける収納スペースがあり、これを『拡張領域(バススロット)』と呼んでいる。そしてこの拡張領域にしまってある予備装備のことを『後付装備(イコライザ)』と呼んでいる。なお、これとは別にそのISに元から配備してある武装を『基本装備(プリセット)』という。
「え? えーっと、アレだ…ってなんだ? なぁ、俺にも分かるように説明してくれよ…!!」
どうやら一夏は再び脳機能の停止に入りそうである。
「落ちつけ一夏、あとで私が説明してやる…!」
箒がテンパる一夏に対し、すかさずなだめにかかった。それを受けて、一夏も釈然としない顔をしつつ落ち着きを取り戻す。その箒も、一夏をなだめ終えると、妙に得意顔になっていた。
「アレだよ一夏、特撮変身ヒーローの“フォームチェンジ”ってあるでしょ。アレとおんなじみたいなものさ」
「あぁ、なるほど!!」
珍妙な顔をして悩んでいた一夏が、拓海の一言で目から鱗が落ちたかのようなリアクションを返す。男の子限定の“鶴の一声”である。対して箒はというと、自分のお株を取られてしかめ面を浮かべていた。
「え〜っと、つまり真行寺君のあの姿は、基本的に『後付装備(イコライザ)』で一気に武装を変えた姿ってことですか?」
なんとなく合点が行ったような、そうでないような微妙な顔で真耶が自分の考えを声に出してみる。
「当たらずしも遠からず、ってところですね」
真耶の問いに答えつつ、拓海も説明を続ける。
「正確には『拡張領域(バススロット)』とは違う、改良領域(カスタマイズ・スロット)換装領域(シルエット・スロット)という固有の登録領域を持っているんです。武器は改良領域(カスタマイズ・スロット)に、IS本体の機能装備は換装領域(シルエット・スロット)に格納しておき、それらの戦況に合わせて瞬時に換装することができるんですよ。それこそ、変身ヒーローの形態変化みたいにです」
分かったような分からないような、それでいてなんとなく納得できたのか、真耶はなるほどと頷く。
だが、千冬と箒は再び拓海の告げた事実に驚嘆の色を見せていた。
特に千冬は、久方に再会した拓海の成長に一種の“怖さ”すら感じていた。
(この才能、この発想力、まるでアイツとおんなじではないか……)
千冬は、今はどこかで奔放に過ごしているであろう“親友”に思いを馳せ、その面影を拓海に重ねる。
(拓海、お前は……)
箒もまた、千冬ほどISには通じてはいないものの、いまも自分の記憶に居座り続ける、千冬の親友たる“姉”の姿を思い起こす。
「さて、こうしているうちに修夜が上から戻ってきたみたいだ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ