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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第七話『蒼空舞う風獅子の翼・中編』
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はな」
心が躍りそうなのを抑えつつ、不審な顔のオルコットに向き直る。
「なんですの、その勝ち誇ったような笑顔は。貴方はこの現実が見えていないんですか…?」
オルコットの声に、少しずつ苛立ちが募りはじめる。まぁ、さっきまで息を切らして虚勢を張っていた相手が、こうも態度を変えてくると、それが自然か。
「悪いな、こんな顔で。でも男ってのはどうして抑えられないんだよ、『秘密兵器』が使えるってシチュエーションに対してはな…!」
「ひ…秘密…兵器…?」
オルコットの声がわずかにうわずる。何より理解に苦しむのか、彼女の表情は俺が見たの中でも、一等珍妙なものを浮かべていた。
「細工は流々、仕上げはご覧じろってな。……っつても、これだけ苦戦するんだったら、こっちも最初から使いたかったんだけど……。何せダウンロードに手間取って、アンタにこの通り踊らされ続ける羽目になったんだ」
まったく、あんなに強いのにどうしてあぁも人をコケに出来るのやら……。
「先ほどから妙な御託を並べておいでですが、ならその“秘密兵器”とやらをお使いになったどうなんですか。どれ程のもであろうと、わたくしのブルー・ティアーズで撃ち払って差し上げますわっ!!」
オルコットの表情が再び厳しいものに戻る。……まぁ、俺もちょっと御託を並べすぎたか。
「いいぜ、見せてやるよ。風の獅子『エアリオル』の、目にも留まらぬ“音速”をなっ!!」
俺はそう言い放ち、プログラムの起動を承認する。
「シルフィ!」
エアリオルの装甲が、僅かに光を纏い始める。

――Assemble System.

「コール、ASBL:ソニック!」

――Drive Ignition.

――――

誰もが目を疑った。誰もが皆、目の前の現象に唖然として押し黙ってしまった。
兵装転換(TRANS FORM)無事完了、蒼羽技研の魂の技術『ASBL』の威力を見せてやれ、修夜…!」
そんな中で、拓海だけは満足げな笑みを浮かべてモニターを見ながらそうつぶやいた。

――――

セシリアは目の前の状況を理解できずにいた。
淡い光に包まれたと思った次の瞬間、その光から解き放たれたエアリオルは『まったく別のIS』へと変化していた。白亜の装甲は空を思わせる群青に、空を舞うための小さなブースターは鋭敏な翼をもつ大型のバーニアに、フットアーマーもネコ科の獣の足を思わせるものからスタビライザーの付いた前衛的なデザインに……。
そう、エアリオルは彼女の眼と鼻の先でわずか数秒の内に見知らぬ“何か”へと変貌を遂げたのだ。
驚愕で混乱する頭を落ちつかせながら、セシリアはあらゆる可能性を模索する。最もあり得るのは使用ISのすり替え――、だがそんな身ぶりは見せなかったし、なにより空中でそんなことすれば僅かばかりでも修夜
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