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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第六話『蒼空舞う風獅子の翼・前編』
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ルコットは不満と苛立ちの色をにじませた。
「言い方が気に入らないな、セシリア・オルコット……。お前は今、なんて言った? 『褒めて差し上げます』だの、『よく頑張りました』だのって、とどのつまり全然相手に敬意を表せてねえじゃねえか。何様のつもりだ、この高飛車女王様よぉ……!」
俺の言葉に、オルコットの眉間のしわが深くなる。
「人が、このわたくしがここまで食い下がって“さしあげて”いることに、なぜそこまで不満なのです!? それ以上おっしゃるのなら、スターライトで撃墜してさしあげますわよ!」
遂に語気を荒げたオルコットに、俺は返す。
「どう見たって、その降伏はお前の役得じゃねぇか。俺が受け入れてもアンタに付く評判は“慈悲深い優等生のオルコット様”で、俺や一夏はその温情にすがった“向こう見ずの馬鹿”にしかならない。そんなもんに誰が喜ぶかよ。
 だけどそれ以上にな、俺の『諦めの悪さはひどい』んだよ……!
 確かに今の俺じゃ出来ることなんて高が知れてる。でもな、一夏たちに約束したんだ……勝ってくるってな。なのに、その提案に乗って約束を破ったら、どんな顔をしてあいつらに会えば良い?
 ……ここで退いたら、それこそ俺は自分が許せなくなる。だから、例え結果が負けだとしても、最後まで諦めるつもりは毛頭ねぇんだ!!」
そうだ、まだ負けちゃいない。何を弱気になっていやがる真行寺修夜……!
約束がある、意地がある……だが、それ以上に……。
(俺達の【目標】……夢の先に行くためにも、こんなところで簡単に諦めちゃ駄目なんだよ!)
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