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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第五話『蒼空(そら)へ』
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……ね」
本当に、なんでもないと言うような感じで笑い、答える拓海。
「とりあえず修夜、これを」
「ああ」
そう言って拓海が差し出すものを、俺は受け取る。
受け取ったのは、中心に草原の風を思わせるような深い(みどり)色をした宝石がついた指出しグローブ。俺はそれを利き手につける。
「え、それって……」
山田先生が、何かに気づいたように呟く。
「ええ、初期化(フォーマット)最適化処理(フィッティング)は既に済ませてるんですよ」
そう微笑みながら答え、俺は言葉を紡ぐ。
「待たせたな、シルフィ」
《うん、待ちくたびれたよ、マスター》
『っ!?』
突然、俺とは別の声が聞こえた為か、拓海を除く全員が周囲を見渡す。
だが、その理由もすぐにわかる。
《マスターが学園に行ってから、今まで暇だったんだからね。後でしっかり話を聞かせてよ?》
「わかってるって」
「し、修夜……それは一体なんだ?」
一夏が、俺の肩に指を指して聞いてくる。
何時の間にやら、山田先生と同じ緑色をした髪のショートカットの【小さな少女】が、俺の肩に座っていたのだから。
「この娘の名前は【シルフィ】、修夜のISの操縦を補佐するために作ったIS用の人工AIですよ」
《よろしくね〜♪》
拓海の紹介に、シルフィが手を振って答える。
「意思疎通可能な人工AI、しかもホログラフィーまで使っているなんて……」
「凄いな……」
山田先生と箒が興味を示したかのようにシルフィを見る。
「とりあえず、詳細は後ほど。いい加減、彼女を待たせるわけには行かないでしょう、千冬さん?」
「ああ、その通りだな」
拓海がそう言うと、千冬さんが頷く。
「最適化処理まで済ませてるなら話が早い。真行寺、お前が最初にオルコットと戦い、次が織斑。
 最後に、お前と織斑で試合を行う……それで問題はないな?」
「ええ、俺は特に」
「俺もそれで良い」
互いに千冬さんの意見に頷く。そして……。
「シルフィ!」
《りょーかい!》
俺はISを展開する。機体と一体するかのような感覚が全身に広がり、【繋がる】。
純白が身体に纏っていき、視界が広がっていく。自然と俺の表情に、笑みが生まれる。
俺は、入学してからずっと、待っていた。こいつと、シルフィと……本当の意味で、蒼空(そら)を飛べる日が来る事を。
装甲の展開が終了し、俺は自分の姿を改めて拓海の持っていたタブレット端末で自分の姿を確認する。
側頭部から後頭部を真横に追おう独特のヘッドギア、特に耳の辺りはライオンの鬣(たてがみ)のように飛び出たパーツが目立つ。胸のプロテクターや腰のアーマーは直角な部分が多いが、シンプルにまとまっている。
だが、なにより特徴的なのがその“腕部”と“脚部”。腕部は敢えて腕を一回り大きく見せる様な分厚
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