暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第五話『蒼空(そら)へ』
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ると、一夏が深呼吸するように言った。
「はい、そこで止めて」
「うっ」
深呼吸する山田先生に一夏が冗談でそう言うと、彼女は本当に息を止めた……っておい!?
「山田先生、今のは一夏の冗談ですから、本気で息を止めないでください!?」
「ふぇ!? じょ、冗談だったんですか……?」
俺の言葉に冗談だと気づき、顔を赤くする山田先生。その素直さは可愛いですが、もう少し相手の真意を読みましょうよ……。
「何をやっているんだ、お前らは……」
そんな俺達に対して、何時の間に来たのか、千冬さんが呆れた表情でそう言葉を紡いだ。
「千冬姉……」

――パアンッ!

「織斑先生と呼べ。学習しろ。さもなくば死ね」
(ちょっと聞いたか修夜?)
(ああ。とても教育者とは思えない言葉だった)
千冬さんの台詞に一夏が俺に小声で話しかけると俺も頷く。一夏も同じ事を考えているだろうが、外見は美人なのに彼氏が出来ないのはこの性格のせいなんじゃないだろうな……。
「ふん。馬鹿な弟にかける手間暇がなくなれば、見合いでも結婚でもすぐできるさ」
……本当に師匠並に鋭い読心術持ってますね、千冬さん。しかしまぁ、そう言うならこっちもアレを言ってみるか。
「そうですか。なら、師匠が俺の花嫁候補に織斑先生を入れてても問題ないですね」
「は?」
「んなっ!?」
俺の台詞に一夏は素っ頓狂な声を出し、千冬さんは物凄い反応をして俺を見る。おお、顔が真っ赤だ。
珍しい反応を見たためか、箒や山田先生も驚いてるし。
「どどど、どう言う事だ、それは!?」
「俺も冗談と思いたいんですが、師匠はどうやら本気のようで……」
動揺する千冬さんに、俺はため息混じりにそう答える。
白夜師匠はその実力から【武神】や【闘神】と言った二つ名で呼ばれるが、その実、性格は無茶苦茶自由人なのだ。
その性格故に、俺は幼い頃から幾度となく師匠に可愛がられてきた。ええ、師匠馬鹿と呼ばれても良いくらいに可愛がられましたとも。
修行の時とかはとことん厳しいのに、プライベートになると抱き付いてくるわ、頭撫でてくるわ、添い寝しようとするわ……もはや恋人に甘える彼女の行動だぞ、ありゃ……。
俺が中学の時なんか、それはそれで偉い苦労したしなぁ……。スタイルが良い時なんかそりゃもう、ねぇ……。
え、どういう意味かって? ……その内わかるよ…。
とにかく、そんな自由奔放な師匠故に、恋愛に関しても大らかだ。
昔、酒の席で酔った勢いで『将来はわしの婿になるかの?』と冗談交じりに発言(しかし、当人は至って本気なんだよな)をした上に、何故かそれ以外の花嫁候補を探すと言う問題行動をしている始末。
師匠曰く『一夫一婦制なんて堅苦しい事この上ないわ。一夫多妻が出来る世の中の方が、恋も燃えると言うもの』……との事だ。『英雄色
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