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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第四話『訓練開始』
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めないだろうな……色々な意味で。
それに、男が一度言った事を撤回するのは気が引けるだろうし、勝ちたいと思っているのだろう。
まぁ、その点は俺も一緒で、勝負と言うからには勝ちに行きたい。
だからこそ、こいつが必死に頼む気持ちはわからんでもないのだ。
「どうするよ、箒? 俺としては一夏にも勝って欲しいから問題はないが……」
「私も、そこまで言われては断れないな」
表情を変えずに箒は言うが、俺は気づいている。一夏に頼られて、嬉しそうな表情になるのを必死に抑えているのを。
まったく、だったらストレートに告白すれば良いものを……ほんと、何で一夏の事に対しては、ここまで素直じゃないのやら……。
「ただ、教える前に一度、剣道場で二人の実力を見せて欲しい」
「……何でだ?」
箒の言葉に、一夏は問う。
「ISの練習にそのまま行ってもいいのだが、久しぶりにお前たちと勝負したくてな。
 問題がなければ、今日の放課後に仕合って欲しいのだが……」
「俺は問題ない。一夏は?」
「まぁ、そういう理由なら……」
俺の言葉に、一夏は歯切れの悪い返答をする。
ああ、そう言えばこいつ、中学時代はバイトで忙しくて剣を握ってなかったんだっけか……。
後でそのことが問題にならなければいいが……っと、俺はそう思いつつ、飯を口の中に放り込んでいった。

――――

結論、やはり問題になりました。
「どうしてここまで弱くなってるんだ、一夏!?」
「いや、受験勉強で忙しかったし、三年間は帰宅部で、家計を助けるためにバイトしてたし……」
箒に一本負けした一夏が、正座で説教されていた。……本当に一夏の事になると感情を抑えられないよな、こいつ。
「……修夜はどうだ?」
「一々言わなくてもわかってるだろ……」
俺も帰宅部だが、俺にゃあの師匠がいる。正直な話、そこいらの道場よりよほど濃厚な鍛錬積んでるわ。
「……そうか。とりあえず一夏、お前を鍛え直す! これでは、IS以前の問題だ!」
箒が一夏を睨みながらそう宣言する。
まぁ、その点に関しちゃ俺も少なからず同意だ。鈍った身体では、知識としてISを動かしても身体がついていけない。
少しでも鈍った身体を鍛えておかなければ、幾ら専用機があっても、ワンサイドゲームで負ける可能性がある。
「これから試合まで毎日、放課後三時間、私が稽古を付けてやる! いいな!?」
「はい、異議あり。流石にそれだと問題があるぞ、箒?」
なんとなく予測してた展開になりそうだったので、俺は異議を唱える。
「……理由(わけ)は何だ?」
「確かに一夏は事情があるとはいえ、身体が鈍っているのは事実だ。だから、鍛え直す事に反対はない。
 けど、冷静に思い返せ。こいつはISの事を教えて欲しいといってるんだ、そのことを学ぶ時間を作るのも筋じ
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