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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第二話『英国淑女の宣戦布告』
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ない。
だが、その事で力を振りかざして他者を見下す……そういう人間は、男女問わず俺は嫌う。
一夏も同じ心境なのだろう。顔を若干しかめているのが分かる。
「悪いな。俺、君が誰だか知らないし」
「同じく、だな」
一夏の言葉に、俺も続けてそう言葉を紡ぐ。
俺は彼女の名を『一応』聞いてはいるが、ああいう態度をとる奴に対して素直に返事をするほど、俺は聖人君主ではない。
一夏の場合は……まぁ、本気で知らないんだろうけどな。
俺達の言葉に、彼女は男を見下した口調でそう返す。
「わたくしを知らない? このセシリア・オルコットを?
 イギリス代表候補生にして、入試主席のこの私を!?」
「あ、質問いいか?」
一夏はそんな彼女の話を遮り、質問をする。
「ふん。下々のものの要求に応えるのも貴族の務めですわ。よろしくてよ」
(貴族って……道理でテンプレっぽい話し方だと思ったわ)
内心で呆れつつ彼女の言葉を聞いてた俺は……。
「代表候補生って、何?」

――すっぱーんッ!

その後に続いた一夏の台詞に、思いっきりハリセンを食らわせていた。
何処から取り出したとか、そういう無粋な突っ込みは無しにしてくれ。
「何するんだよ、修夜!?」
「あまりの馬鹿な質問に突っ込みを入れただけだ、この阿呆!」
周囲を見れば、数名の女子がずっこけており、オルコットに至っては口をパクパクさせながら一夏を指差してる。
「あ、あ、あなたっ、本気でおっしゃってますの!?」
「おう。知らん」
「……入学前に、基礎部分は散々叩き込んだだろうが」
「すまん、忘れてるかもしれない……」
頭を抑えている一夏に対して、俺は呆れながら説明する。
「代表候補生、国家代表IS操縦者を選出するために選ばれたエリート達の事だ」
「なるほど……」
「そう! エリートなのですわ! だというのに、信じられませんわ……。
 極東の島国というものは、こうまで未開の地なのかしら。常識ですわよ。テレビもないのかしら……」
「テレビどころかPCだってあるわ。 むしろ、こいつの頭が馬鹿過ぎるだけだ」
「ひでぇ……」
そんな俺達のやり取りを無視して、オルコットはビシッと人差し指を俺たちに向けた。
「とにかく、本来ならわたくしのような選ばれた人間とは、クラスを同じくすることだけでも奇跡……幸運なのよ。
 その現実をもう少し理解していただける?」
「そうか。それはラッキーだ」
「……馬鹿にしてますの?」
馬鹿にするも何も、それほどラッキーな事とは俺には思えないんだがなぁ……。
「大体、あなたISについて何も知らないくせに、よくこの学園に入れましたわね。男でISを操縦できるときいてましたが、とんだ期待外れですわね。
 まぁ、こちらの方は多少、知識はあるようですがそれもどうだか…
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