フラヒヤ山脈へ
明星の英雄
フラヒヤ山脈道中@
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セージが指さす方向には椅子に座って木から落ちてくる紅葉を眺める竜人族の女性が居た。
「おお、あの人だ。すいませーん!」
ガイルは手を振りながら駆け寄っていった。
「あら、これはこれはガイルさん。今日はどういった御用で?」
「ああ、いやその〜特別な用というのはこれといってないんだが…。宿は無いかな?」
「宿でございますね。今あいにく満室でございまして…。」
「そうでしたか、失礼しました。」
ガイルは半ば早足でその場を去ろうとした。
「ちょっとお待ちになってください。」
「はい!?」
ユクモ村の村長さんに呼び止められたガイルは肩をすくめながらゆっくり振り返った。
「もしかしたら、この村の訓練所の生活寮なら使えるかもしれませんが…。それでもよろしければご用意させて頂きますわ。」
「ああ、そうですか。こりゃご丁寧にどうも…。」
「訓練所に着いたら、教官が喜んで使わせてくれると思います。」
「分かりました、ありがとうございます。」
ガイルはセージ達に宿の確保が済んだ事を伝え、早速訓練場へ向かった。
「何であんなにビクビクしてたんだい?」
セージは地雷を踏みそうな質問をした。
「んー?昔父さんはハンターになるって親父達と喧嘩しちまってな。啖呵きって出てきたんだが行くあてが無くてな。
必死に貯めた金で商店のおばちゃんから肉焼きセットを買い、パティオ村の教官から初心者ハンターの極意を教わり、荷車に乗って気がついたらこの地にやって来てたんだ。
どうやら無賃ってのがバレて荷車ひいてたアイルーに降ろされたんだろうな。目を覚ましたら温泉につかってたんだよ。」
「それで、父さんの最初のハンターとしての修行の地がココだったっていうことか。」
「そういうこった。まぁ、追々分かるさ。」
「ふーん。」
親子は他愛もない会話を済ませると黙々と歩き始めた。
「ついた。ココがユクモ村ハンター訓練所だ。」
門をくぐったところでいきなりガイルが雷刃ヴァジュラを抜きセージの目の前を斬り払った。
「なっ、何するんだ父さん!」
ガイルは聞く耳も持たず音爆弾を取り出し目の前へ向かって投げた。
その小脇の茂みからは見たこともない小型のモンスターが音爆弾の投げられた何もない空間へ飛びかかっていた。
「見たことないな…。目がない点からするとフルフルベビーに近いものだろうか。」
「違うな。こいつらはギィギっていう野生の幼生モンスターだ。
幼生だからってフルフルベビーみたいに採取できると勘違いすんなよ?
こいつらは音と熱を頼りに人や他の草食モンスターに噛み付いて吸血するんだ。
そして毒が自分の体内で生成できる段階まで育ったところで
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