第87話
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はバスや電車を使い、様々な閉鎖された研究施設を回っていく。
そして、七個目の研究施設を訪れた時だった。
研究施設の裏口の地面にいくつもの真新しい足跡がいくつも残されていた。
「どうやら此処が当たりの様ですね。
詳しく、中を調べてみましょう。」
中に入ってみるがこれまで回ってきた研究施設と変わらずボロボロで使用した後など一切見られなかった。
だが、一つの一室にそれを見つけた。
「見て、此処に何か引きずった跡がある。」
結標はしゃがみながら床に何か引きずった跡を発見する。
その横には三つの本棚が置いてあるだけだ。
高さ一八〇センチの横が一メートルの大きさの本棚だ。
「下がってろ。」
麻生はそう言うと左手でその本棚を軽く殴る。
能力でベクトル操作をして本棚の後ろの壁ごと破壊する。
その先は隠し部屋があり、中には幾つもの机と椅子、さらには六台くらいパソコンが並べられていた。
海原はパソコンの電源を入れて中にデータが残っているかどうか確かめる。
結標は麻生の方をじっと睨んでいる。
「あなた、何者?」
どうやらさっきの麻生の一連の行動を見て率直に疑問に思ったのだろう。
「ただの一般人Aだ。」
簡潔に一言だけ伝える。
麻生がまともに答えない事が分かったのか、結標の方もそう、と言って麻生から視線を外す。
「どうやら、データは全部消去されているみたいですね。
この分だと他のパソコンもデータは残っていないでょう。」
パソコンを操作しながら海原は言った。
その時、結標の目に机の下に何か白いものが見えた。
しゃがみ込んでその白い何かを手に取る。
A4の紙のようでそこには何か書かれている。
「どうやら敵さんは相当慌てて此処を出て行ったみたいね。
此処の研究者が使っていた資料の一枚みたいよ。」
「見せてください。」
海原はそれを手に取り、書かれている文面を読んでいく。
「これは武器商人のリストの様ですね。」
「武器商人だと?
この学園都市にはそんな職業まであるんだな。」
「彼らは自分達のような暗部の人間を対象に商売をしています。
逃走用の車、隠れ家、変装や整形なども取り扱っている商人もいます。
その中でも武器商人はかなり珍しい方ですが。」
それだけ言って海原はポケットから携帯電話を取り出し、誰かと通話する。
おそらくさっき拾った紙に書かれている内容を組織に伝え、その商人の居場所を特定しようとしているのだろう。
要点だけ伝えると、海原は携帯を閉じて言った。
「今、組織に連絡をしてこのリストにある商人の居場所を割り出してもらっています。
結果が出るまで近くのホテルで待つ事にしましょう。」
「この部屋はどうする
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