氷の女王
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ギルドマークがあった。
「わぁっ!」
「氷の魔法さ」
「氷ってアンタ、似合わないわね」
「ほっとけっての」
するとルーシィは何を考えているのか、ふと真顔になる。
「氷!」
グレイを見てそう言い、今度はナツに目線を向ける。
「火!」
そして何かに気づいたように右手を握った。
「あ!だからアンタ達仲悪いのね!単純すぎてかわいー」
「そうだったのか?」
「どうでもいいだろ!?そんな事ァ」
図星なのか、グレイの額に汗が浮かぶ。
「そうよ。そんなくだらない事より本題に入るべきだわ」
突如そう言ったのはティアだ。
魔法書から顔も上げずにそう言い放ち、エルザを見つめる。
「確かにそうだな。一体何事なんだ?お前ほどの奴が人の力を借りたいなんて・・・しかもティアまで引っ張り出してくるなんてよほどだぜ」
アルカの言葉にエルザは頷き、話し始めた。
「そうだな・・・話しておこう。先の仕事の帰りだ。オニバスで魔導士が集まる酒場へ寄った時、少々気になる連中がいてな・・・」
時を戻す事、オニバスの酒場。
「コラァ!酒遅ぇぞ!」
エルザの座っていた席の近くで4人の男が飲んでいた。
その中の1人がキレている。
「ったくよォ、何モタモタしてんだよ!」
「す、すみません」
「ビアード、そうカッカすんな」
「うん」
「これがイラつかずにいられるかってんだ!」
「ひっ」
店員が小さい悲鳴を上げる。
「せえっかく『ララバイ』の隠し場所を見つけたってのにあの封印だ!何なんだよあれはよォ!全く解けやしねぇ!」
「バカ!声がでけぇよ」
「うん、うるせ」
「くそぉっ!」
ぐびぐびぐびっとイラついた様子で酒を飲む男『ビアード』。
「あの魔法の封印は人数がいれば解けるなんてものじゃないよ」
「あ?」
「後は僕がやるから、皆はギルドに戻っているといいよ」
そう言うのはどこか優男のような顔立ちの男。
「エリゴールさんに伝えといて。必ず3日以内に『ララバイ』を持って帰るって」
「マジか!?解き方思いついたのか?」
「おお!さすがカゲちゃん!」
「ララバイ?」
「子守歌・・・眠りの魔法か何かかしら」
「聞いた事ねぇな」
ララバイ、という聞き慣れない言葉に3人は首を傾げ、ティアは魔法書に目線を落としている。
協力はするけどそこら辺の事情に興味ない、という事だろう。
「解らない・・・しかし封印されているという話を聞くと、かなり強力な魔法だと思われる」
「話が見えてこねぇなァ・・・」
「あぁ。得体の知れない魔法の封印を解こうとしている奴等が
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