暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
氷の女王
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しい記憶力ね」
「ムカッ!」

初対面の人にこんな事言われて怒らない人はいないだろう。

「私よ。帽子を取った方がいいかしら」

そう言うと被っていた大きめの帽子を取る。
ふわっと群青色(ラピスラズリ)のカーリーロングヘアが揺れ、同じく群青色(ラピスラズリ)の大きい瞳がルーシィを見つめる。
長い睫に縁どられた瞼、すっと通った鼻筋、薄い唇、頬は薄く桃色に染まっていて、少し幼さが残るものの美しく凛とした雰囲気のある顔立ち。

「あっ!」
「やっと思い出したみたいね」

そう言いながら帽子を被りなおす。
ハルジオンで火竜(サラマンダー)妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入れてやると言われた時に会ったあの美少女。
記憶から消えかけていた。

「ギルドに入れたのね」
「は、はい!新人のルーシィです、よろしくお願いします」
「私はティア。特別慣れ合うつもりはないけど、まぁよろしく」
「へ?」
「気にすんな。こーゆー奴なんだよ」

アルカが呟く。
深い青色のリボンが巻かれた大きめの白い帽子が、ティアの顔を隠す。
あの時と同じ、フェミニン調のミリタリールックの服に身を包んで、足元はレースアップブーツだ。

「おい、ティア!」
「あら、アンタもいたの。脳みそまで燃え尽きてしまった単細胞の火竜(サラマンダー)
「相変わらずムカつくヤローだな・・・」

ティアは顔色変えずに言い放つ。

「で、何の用かしら?」
「帰ってきたら俺と勝負しろ!」

まただ。
さっきエルザに勝負を挑んだ事を忘れている訳ではなさそうだが・・・。

「ティアに勝負を挑むなんて・・・」
「マジで死ぬぞ。ティアに勝負を挑んだ日が命日だ」
「えぇっ!?」

珍しく笑顔を崩して驚くルーとアルカの言葉にルーシィが驚く。

「はぁっ・・・めんどくさいわね」
「んだとっ!」

髪を指にくるくる巻きつけて呟くティアにナツが噛みつく。

「だってアンタも覚えているでしょ?去年私に喧嘩を挑んで殺されかけたじゃない」
「あの頃はガキだったんだ!あの時とは違う!」
「殺されかけない自信があると言いたいの?」
「おぅよ!」
「・・・そう」

髪から手を離す。

「ならいいわ。受けて立つ」
「おっしゃあーーーーーーーーっ!」
「その代わり」

ティアは意地悪そうにニヤッと微笑んだ。

「手加減しないわ。死んでも文句言わないで・・・アンタが実力を上げている様に、私も実力を上げている事を忘れないで」

その言葉にナツの炎が消える。
ギギギ・・・とぜんまいの切れた人形のような動きでティアを見つめた。

「こ、殺すなよ?」
「さぁ?どうなるかしらね」
「・・・やっぱ止めてもいいか」
「意気地なし
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