氷の女王
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をはさんだ。
「なぁエルザ」
「なんだ?お前も勝負したいのか?」
「いあ、そうじゃなくて・・・ティアは?」
そう。
居るはずのティアがいないのだ。
先ほどからルーが辺りをきょろきょろ見回している。
すると、1人の男が泣きながら歩いてきた。
「くっそぉ・・・くっそぉ・・・」
「仕方ねぇって。相手はあの氷の女王だぞ?」
「噂にゃ聞いてたが・・・あれ程とはよぉ・・・ぐすっ・・・」
氷の女王。
その言葉を聞いた瞬間、ルーとアルカの顔が輝き、エルザが溜息をつき、グレイはやれやれと額に手を当て、ナツがさらに燃え上がった。
「貴女に一目惚れしましたっ!す、好きです!付き合って下さい!」
すると向こうからTPOを全く考えていない告白の言葉が聞こえてきた。
周りにいた野次馬たちが囲むようにしてその光景を見ている。
「何あれ・・・こんなトコで告白するなんて、デリカシーが無いっていうか・・・」
「あの人、終わったね」
「あぁ」
呆れるルーシィの横でルーとアルカが縁起でもない事を呟く。
「・・・一目惚れ?」
感情の篭っていない、冷たい氷のような声が響いた。
その声を聞いた瞬間、エルザがさらに大きなため息をつく。
「そんなの一種のまやかしに過ぎないわ。私の見た目しか知らないくせに気安く告白なんかして来ないで。私はアンタみたいなTPOを知らない、しかも見知らぬ人間と付き合うほど軽い女じゃないの。答えは当然『NO』よ」
強烈すぎるというか冷淡すぎるというか・・・そんな返事に男はワナワナ震えて立ち去り、野次馬達もばらけていった。
「ティア!」
ルーが声を上げ、ティアに向かって走っていく。
そして・・・。
「久しぶりっ!会いたかったよ!」
何の前触れもなく、ティアをぎゅっと抱きしめた。
ルーシィはその意外過ぎる行動に唖然とする。
そして抱きしめられているティアは細かく震えると・・・。
「毎回毎回・・・勝手に抱きついて来てるんじゃないわよ、バカルーがぁぁっ!」
「ぐぼっ!」
ルーを思いっきり殴り飛ばした。
一応お知らせしておきます。ここは駅です。民間人大勢います。
よい子はマネしてはいけません。
「さっすがティア、キレも威力も変わってないね!」
「それ褒めてるのかしら、貶してるのかしら」
「褒めてるよ?」
子犬のように可愛らしく屈託のない笑みを浮かべるルーに何も言えなくなったのか、ティアが溜息をつく。
「エルザ、遅れて悪いわね」
「いや、私も今来たところだ」
「そう・・・」
ティアの視線がルーシィに注がれる。
「あんた、ハルジオンの・・・」
「へ?」
「覚えていないの?乏
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