暁 〜小説投稿サイト〜
蒼穹を翔る運命の翼
PHASE-01 「会敵」
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はいかないらしい。
 攻撃してこないって、どこまでナメられてるんだ。
 そう、敵は攻撃をしていない。しかし、目の前の女の視線は、シンに明確な敗北をイメージさせていた。
 ナイフ戦はアカデミーでも太鼓判を押されたシンである。だが、目の前の女には近接戦闘の力量が及ばないことを、シンは視線一つで感じさせられていた。
「良い判断だな。ナイフの腕も悪くないようだ、その身のこなしだけで分かる。どうする、まだやるのか?」
 シンは返事を返さず、ナイフを腰だめに構える。返事など不要、結果はどうであろうと次で決まる。
「良いだろう、来い」
 最初と殆ど変わらぬセリフ言い、女は構える。
 近接戦闘の実力で敵わぬ相手に突撃。
 ―――勇敢と無謀を履き違えるな、ってアスランに説教くらうな。
 敵に斬りかかる最中、シンは胸の奥でふとそんな事を思っていた。
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