PHASE-01 「会敵」
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の到着まで、当機には干渉をしないでくれ。夜が明けて味方が来たら、その時に説明出来る」
こう言った面倒事は不得手である為、シンは現状維持を希望した。
自分が交渉が苦手なことを、彼自信はよく知っていたからだ。
『山…先生。こ…つ、仲間がいる……いです。全く、…S学園をなん……思ってる…だ…』
<インパルス>のコックピット付近に正体不明機が集まる。
話を聞き入れてくれている感じがしない。どうするかシンは考えあぐねていた。いっそあちらに直接出向いてやろうか、そうとまで思った程だ。
『ここに置いて………邪魔…なり…ね、取り……ず運び………う。…斑…生には私……報告して……ます』
話を聞く気があるのか、とシンは再度思った。
『ちょ……中を見て……す。うわー、な……言うか男共…好きそうな……ですね』
コックピット前の1人がパッと光り、次の瞬間には生身となって機体に侵入するのが見えた。
シンの予想通り相手は全く話を聞く気がなかった。
彼女たちにとって、ISを纏った今の自分たちは世界最強の存在であり、得体の知れないデカイだけの木偶。しかも損傷している為、警戒するまでもない存在だったのである。
そして、現場を監督する山田真耶も、確保対象が無人な事と加えて生徒たちと同様、ISを纏う安心感から、事態を甘く考えていた。
戦争と縁のない彼女たちには、あるいは仕方のない事だったのだろう。
しかし、残念なことにシンはそんな事情を知らなかった。
「アイツら、コックピットに入ったか!」
シンにとっては、こちらの警告をした上で、相手はあえてそれを無視して侵入したようにしか見えない。
そして事実そうだった。
「警告する。今すぐコックピットから出ろ! じゃないと機密保持の為の対処をしなきゃいけないんだ」
『今の聞…た? IS相手に何をす……もりなん……。山田……は?』
『今、織……生に連絡して…とこ…。…斑先…は後、5分……来るんだって』
『で、ど…。何…分か……?』
『さっぱり。……こいつ。見た………ない規格して……よ』
再三の警告も全く意味を為していない。こうなっては残念だが、最終手段を取るしかない。
機密保持を最優先、それが軍人としての勤めである。<インパルス>のデータベースには、機密情報も少なくない。あの機体を第三者に渡すわけにはいかないのだ。
シンは覚悟を決めるしかなかった。
無論、要らぬ犠牲は彼も良しとしていない。その為、最後の警告を出した。
「最後の警告だ。機密保持の為、機体を破棄する。死にたくなかったら、ちゃんと離れとけよ」
そう言って、通信を切ったシンは無線の周波数を機体側で設定したコードに切り換える。これで、後はボタンを押せば、それで終わりだ。
「ごめんな……<インパルス>」
一言、
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