第七話「突然変異種との遭遇」
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ーーー作戦開始から4時間
ブランク、ソレンス、ユニ、オルテガ、フィンの5人は、全部隊の合流予定ポイントである
市街地エリアの中央広場に向かっていた。
緊急事態が発生した際、または作戦の続行が不可能な状況に追い込まれた際には、兵士達
はそこで合流し、脱出用ヘリでレッドゾーンを離脱することになっている。
兵士の半数近くが殺されたこの状況で、作戦続行は不可能だ。
既に50名近くの兵士達が中央広場に集結し、他の部隊に撤退を呼び掛けている。
ーー合流予定ポイントまであと700メートル
「おい、あれが中央広場じゃねぇのか!?」
「………あぁ。」
「ねぇ、ソレンス……私の同期の子……何人生きててくれてるかな……?」
「……分からない。でも今は自分たちの安全を優先させよう。…死んだら他人を心配することもできない」
「とっととこんな地獄抜け出したいねぇ」
各々が自分の意見を言い合いながら、合流予定ポイントまで走る。
すると…………突然ブランクが足を止めた。
「おいおい、なんで止まんだよ!? あと少しの距離じゃねぇか!」
苛立ちながら、オルテガが問い詰める。
しかし、ブランクはそんなのお構い無しというように、辺りを見渡し始めた。
その様子を見て、ソレンスは言い様の無い不安を感じた。
「……どうしたんですか?」
「…………これは最悪のパターンだ」
と言うや否や、ソレンスの襟首を掴んで後ろに放り投げた。
その直後…………瓦礫の断片がソレンスのいた位置に勢いよく落下した。
一瞬の出来事に、ソレンス達は驚く間もなかった。
「!? 一体何が……」
その直後
「ガアァァァァアアアァァァ!!」
獣の咆哮のようなものが聞こえた。
いや………獣の方がマシだったかも知れない。
倒壊した建物の陰から"ソレ"は姿を現した。
「おいおい……なんっだよこの化け物は……」
建物の陰から出てきた"ソレ"は、紛れもなく生物ではあった。
その生物の特徴を分かり易く説明すると……皮膚の無いゴリラ。
筋肉は剥き出し。巨大な口にはギザギザな鋭い歯が歪に並んでいる。
目は見当たらない。ならば……どうやって人間の位置を知ることができたのか?
「………こいつは…"突然変異種"だ。感染者の、成れの果てだ」
「マジかよ…どうすんだよ…こいつ」
「……こいつの走るスピードは車並みだ。下手に逃げようとすると殺される」
「おいおい、冗談だろ?」
「…………だとしたら、やることはひとつだ」
「………戦ってこいつを殺すしかない」
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