第三話
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〜」
「じゃあお願い。ここからはスピード勝負で。出会った兵士は気絶させるか行動不能にするかでいこう」
「了解」
「じゃあ行くよ」
俊司達は覚悟を決めると、ゆっくりと中に入っていった。
少しはなれたところで、誰かが見ていたにもかかわらず……。
「裏口からの進入を確認しましたか……予想通りですね」
いつもの部屋で無線通信をしていた男は、溜息をつきながらそう言った。
「警報? まだいいですよ。人質を解放してもらってから一気に畳み掛けます。とうぜん相手は油断してるでしょうし。もちろん、警備兵は最小限で……というかなしでもいいですが。はい。ではまた連絡をお願いします」
そういって男は無線を切ると、椅子に座ってまた溜息をついていた。
「まあ、一気に畳み掛けたところでやられるような相手だとは思いませんが、『彼』かどうかをあぶりだすには十分でしょう。どうせこの作戦ももう長くはないでしょうし、ここがおちようが結果に変わりはないでしょう」
男はそういうと、また無線で連絡を取り始めた。
「宮下です。地上に護送車を用意してください。もちろん、撤退用です」
男が護送車を呼んでいたころ、俊司達はひたすら地霊殿内部を進んでいた。
「……やっぱ罠だな」
「だね」
館内を移動していた俊司達だったが、見張りの兵士たちは一人もいなかった。
もとより罠と踏んで進入をしていたが、ここまでくると確実に罠だと言い切れるくらいになっていた。もちろん、わかっていても先にすすむのだが。
「で、どのタイミングででてくるのかねぇ」
「おそらく人質を解放したときじゃないですかね。人質もろとも始末するつもりで」
「なるほど、でもそう簡単にやられるわけにはいかないねぇ」
「それはみんなおなじですよ」
「そろそろだよ」
そういってこいしが指を刺したのは大きなドアだった。
「もともとこんなのはなかったんだけどね、あいつらが勝手に作っちゃったの」
「まあ、そうするだろうな……さて、準備はいいですか?」
俊司がそういうと、四人は何も言わずに俊司を見つめた。
「じゃあ……いきますよ」
そう言って、俊司は中に入るなり銃を構えた。
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