暁 〜小説投稿サイト〜
豹頭王異伝
転換
煙とパイプ亭
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
密かに抵抗する勢力が首を揃え、掌を返した様に協力の態度を表明。
 実に見事な豹変であり何等かの謀略ではないか、と思わせる程であったが。
 ブランが密かに調査、報告した内容は実に拍子抜けするものだった。
 宰相不在の間に万事が滞り、困窮した人々に突上げを喰らい進退に窮していたのだ。
 しょうも無い豹変の理由を聞かされ、カメロンは呆れ果てた。

「こんな事なら、もっと早く仮病を使ってやりゃ良かったな」
「親父さんが留守の間、連中を撃退し続けるのはえらい難渋だったんですよ!
 続けてズル休みするのは勘弁してください、今度は俺が仮病を使う番です!!」
 カメロンの人望を失墜させる為に、サポタージュが行われたのだが。
 ブランの一存で『何もかも滞らせた張本人』と噂を流し、足を引っ張る連中の名を挙げ逆襲。
 ドライドン騎士団の情報操作能力を如実に示した実績、であったのだが。
 ぼやく元船長に間髪入れず海の兄弟が返し、2人とも久々に腹を抱えて大笑いした。

 ゴーラ宰相カメロンが仮病を止め、政務に復帰して数日後。
 ドライドン騎士団の副長、ブランが執務室に駆け込んで来た。

「おやじさん、元ユディトー伯爵ユディウス・シンを名乗る者が現れました!」
「ユディトー伯ユディウス、ユラニアの誇る軍師だとぅ!?
 アキレウス大帝の毒殺を謀み、ケイロニアで処刑されたと思ってたが。
 何でまた、今頃になって出て来たんだ?」

「私に聞かれても、知りませんよ」
 ブランが呆れた様に呟き、カメロンも思わず吹き出した。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ