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豹頭王異伝
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第二の基点
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そんな度胸は無ぇだろう。
 ユラニアも、モンゴールも言っちゃあ悪いが、実務家が揃ってるってな訳じゃねぇからな。
 下手に訳の分からん決定をされる位なら、俺が戻るまで何も決まらねぇ方が良い。
 中原を代表する美人の新生ゴーラ王妃、光の公女アムネリス様に自殺されるよりゃマシだ」

 アムネリスの幽閉場所、アムネリアの塔は精神に悪影響があると判断。
 新都イシュタールの北方、純白の小さな建物クリームヒルドの塔へ移す。
 イシュトヴァーンに王子の誕生を報らせる為、ドライドン騎士団ワン・エンを派遣。
 カメロン自身は昼夜問わず馬を駆りユラ山地を抜け、一路トーラスを目指す。

 疲労で速度が落ちたと見れば代馬に乗り換え、寝る間も惜しみ赤い街道を疾走。
 ドライドン騎士団の精鋭も、次々に脱落するが。
 カメロンは気にも留めず、目的地で合流を指示。
 体力の限界に達した従者達に休息を命じ、単騎行を選択。
 トーラスを暁の光が染める頃、下町の居酒屋に疲労困憊の騎士が駆け込んだ。


「まぁ、カメロン様!
 どうして、わざわざこんなところに来なさったんですか!?
 あれまあ、随分とお疲れの様じゃないですか!!
 今、肉まんじゅうを温めますからね、少しだけ待っててくださいまし!
 すぐ、お持ちしますから!!」

 オリーは豊穣な感情を映し、普段は和やかな眼を真ん円に見開いたが。
 盛大な絶叫で出迎え、一頻り騒ぐと急いで台所に逃げ込む。
 雄弁な溜息を吐き、古呆けた椅子に座り込むカメロン。
 寝不足の上、体力を使い果たし体中が痛い。
 グインを援けた黄金の心を持つ勇者、オロの弟が店の奥から現れる。
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