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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十六話 アルマゲドン!!
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飛んだアインハルト目がけて、ライノは一直線に接近し、横一閃にハルバードを振り切る。
それを何とかバックステップで回避しても、其処に出来た時間で更に追撃が来る。

「そ、らそらそらそらぁ!!」
「くっ……!」
拳に比べて圧倒的に広い間合いを持つハルバード。重量のある筈のそれを器用に右に左にタクトを操るが如く旋回させて来るライノのラッシュを前に、アインハルトは防戦一方となりつつある。

「(このままではいずれ崩される……!)はぁっ!」
「おっと!」
即座に判断して、アインハルトは多少強引ながらもライノのハルバードを思い切りのよい拳を回転するハルバードの回転方向に対抗するようにぶつけ、柄の回転を乱す。それと同時に欲張って追撃するような事はせず、一気に大きく後方に飛んでライノから距離をとった。

「(よし、このまま体勢を……)」
「逃がすかよ!」
[Photon Lancer]
「っ!」
しかしそれをみすみす逃すライノでは無い。
即座に自身の周りに四つの魔法球を展開すると、それらを雷撃の槍と成し、打ち出す。
体勢を何とか取り戻したばかりのアインハルトに、雷撃の槍が迫る。が……

「覇王流……」
アインハルトにしてみれば、その手は悪手であると言えた。
放たれた雷撃の槍の内、直撃コースだった二本の槍を、アインハルトは両の掌で“受け止める”。

「なん……!?」
驚いたようにライノが目を見開いて居る間に、アインハルトはその魔力槍をそのまま向きを変えて……

「旋衝破!!」
「うおっ!?」
[Protection]
ライノに向けて、“投げ返した”。

覇王流 旋衝破
ライノは知りはしないが、アインハルトが今回の陸戦試合でこの技を使うのは初めてではない。先程ヴィヴィオと交戦した際にも繰り出したこの技。旋衝破は、言わば古代ベルカ系の魔導に通ずる、反射技(リフレクト)の一種とも言える技だ。
自身に向けて接近する魔法、及び魔力を、弾殻(バレッドシェル)を壊すことなく“受け止め”て、“投げ返す”。

真性古代(エンシェント)ベルカ式の術式を使う人間であれば、理論上は可能な技術だ。しかしそれを習得している人物は実際かなり少ない。
弾殻を壊さないように魔法弾を受け止めると言うのは、言うは易く行うは難し。実際かなり難しい。掌から魔力を放出することで受け止めるためのクッションを作り、そのクッションを用いて向かい来る弾丸の指向性を止めるため弱すぎず、弾殻を壊さないよう強すぎずの絶妙な力加減で受け止めるのだ。
本来ならば、若干12歳の少女に出来るような芸当では無い筈だった。
この事実だけを見ても、彼女が覇王流と言う武術をモノにするために一体どれほど苛烈な修業を積んだかは、想像に難くない。

「…………」
投げ返した
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