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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十六話 アルマゲドン!!
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時間は少し前に戻る。
アインハルトは、全速力で後衛を目指していた。無論彼等を叩くためだが……
「もし、お嬢さん、そんなにいそいで何処行くのっと!」
「っ!」
そんな彼女の下に、威勢のいい声が上から降ってきた。反射的にバックステップで大きく後ろに飛ぶと、つい先ほどまで彼女の居た場所に、大柄なハルバードが振り下ろされ、地面が抉れた。
「へぇ、良い反応だ。流石は格闘家、ってとこか?」
「ライノさん……」
振り下ろした状態のハルバードを持ち上げ、肩に担いで飄々とした様子で言ったのは、言わずもがな、ライノだ。
「さて、此処を突破したくば……ははっ、言われるまでもねぇって顔だな?」
「…………」
相手を前にしてあくまでもマイペースかつ軽口を叩く青年は果たして計算高いのか、あるいは唯愚かなだけか……いずれにせよ、アインハルトは彼の態度を前にしても緊張の糸を緩めない。
戦場に置いて一瞬でも油断する事はそれすなわち死と同義だ。これは訓練なのだから死ぬことなどあり得ないが、それでも彼女の脳内に有る覇王としての記憶は戦いにおける気の緩みを一切許容しようとはしなかった。
「やれやれ、もうちょい楽しんで「はぁっ!」うおっ!?」
言葉の途中で突撃を仕掛けた。踏み込んだアインハルトの一撃をライノは腕で防ぎ、その際後方に飛ぶことで衝撃を逃がす。
[バカですか?先程も油断してゴーレム創成を赦しておいて、またそのパターンですか?]
「うぐっ……おっと!」
「……!」
間髪いれずに更に間合いを詰めたアインハルトの拳は、ハルバードの柄で防がれる。しかし長物を使うなら懐は苦手な筈だ。であればする事は一つ。
「(このまま連撃で防御を崩す!)」
「おっ、とっ……!」
左右のラッシュで徐々にゆさぶりを掛けて行く。こう言った隙が小さくコンパクトな拳は、こうして数を出すことでいずれ相手の防御に綻びを作ってくれるものだと言う事を、この少女はよく知っているからだ。
しかし……
「っと……ふっ!」
「!?」
ライノとて、そうそう甘くもない。
短く息を吐くとともに、ライノは打ち込んできたアインハルトの右の拳を、左手で“受け止めた”
「捕まえたぜ?」
「っ!」
[Stun spark]
反射的に左の拳を突き出しかけたが、遅かった。
「くぅっ!!!?」
アインハルト DAMAGE 340 LIFE 1960
ライノの手から電撃に変換された魔力がアインハルトの方へと伝わり、一瞬全身に衝撃が走ったかと思うと、弾かれるように体が吹き飛ばされる。
「(接触型攻撃魔法……!)」
迂闊だった。決してライノは戦闘に慣れていない素人と言う訳では無かったのだ。それが証拠に……
「ふっ!!」
「っ……!」
後方に吹っ
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