第一章 「グレン・ポッターと賢者の石」〜Glen Potter and The Philosopher's Stone〜
2話 Diagon Alley.「ダイアゴン横丁」
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なったもんだなぁ!」
息を吐く間も無い程、ハグリットは言葉を捲し立てた。横にいたモラルドは何が何だか分からずそれを唖然と見ていた。
「あれから随分と経つもんなあ。10年ぐらいだったか?しっかり元気にしとったか?えぇ?」
「ま、まぁ―」
「─ウオッホン!!」
モラルドが大きく咳払いした。それを聞いたハグリットは、ようやくモラルドの存在に気づいて落ち着いた。自分が我を忘れて興奮していたことを知り、ハグリットは顔を赤らめ口をもごもごさせた。
「あぁ・・・ええと、その・・・お前さんは誰だ?」
どうやら、咄嗟に出てきた言葉がそれだったらしい。だが、ハグリットのその言葉はモラルドの神経を逆なでしてしまった。
「誰だ、だと?人にものを尋ねる時は自分から名乗るのが礼儀だろうが!先ほどから黙って聞いておれば、人の孫に訳の分からん事ばかり言いおって・・・!」
今度はモラルドが怒りで顔が真っ赤になる番だった。ハグリットはしどろもどろになって言った。
「そ、それはすまなんだ。あんまりにも嬉しくなっちまってつい・・・何しろここでグレンに会えるなんて思ってもみなかったもんで・・・そう、名乗るんだったな。俺はルビウス・ハグリットっちゅう者だ。ホグワーツの鍵と領地を守る番人をやっとる。・・・待て、孫と言ったか?そんじゃお前さんは、モラルドか?ミリアの親父の?」
どうやら、目の前にいるモラルドが誰かは気付かなかったが、モラルド・レイモンドという人物自体はハグリットは知っていたらしい。モラルドは滅多に外出なんてしないから、会ったことがないんだろうなとグレンは思った。
「あぁ、そうだ。ワシがモラルド・レイモンドでグレンの祖父だ」
「そうか。お前さんがグレンを育ててくれたんか・・・いや、何と言ったらいいか・・・」
二人の間に気まずい雰囲気が流れた。少なくともグレンはそう思った。どうやらこの二人はあまり反りが合わないようだ。
ともかくも、このまま二人のこの状態が続いたら買い物に行くことができない。なので、グレンは取りあえず話題を逸らすことにした。
「ハグリットもお金を引き出しに来たの?」
「おっといけねぇ、忘れるとこだった。・・・いや、俺はちょっとしたおつかいでな・・・ま、まぁ、大したモンじゃねぇんだが」
なるほど、やはりハグリットは隠し事が苦手だなとグレンは思った。最後の言葉を言うときハグリットは目が泳いでいた。しかしそれは、グレンが事情を知っているからこそ良く見ていたから気付いたというのもあるだろう。
「じゃぁ俺はそろそろ行くんでな・・・じゃあな。グレン。ホグワーツでまた会おう」
「うん、またね」
グレンは手を小さく振って、ハグリットがグリンゴッツへと向かう石階段を上っていく姿を見送った。
グ
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