第一章 「グレン・ポッターと賢者の石」〜Glen Potter and The Philosopher's Stone〜
2話 Diagon Alley.「ダイアゴン横丁」
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、グレン達を観察していた。ある意味で、彼らは職業病なのだろう。
「あー、グレン・ポッターの金庫から金を引き出したいんだが」
モラルドはカウンター越しに、働いている子鬼の一人に声をかけた。
「鍵はお持ちでいらっしゃいますか」
「あぁ、もちろんだ」
子鬼の問いにモラルドはすかさず鍵を目の前に出して見せた。恐らく子鬼製の、小さな黄金の鍵だ。
そういえば原作でも同じようなやり取りをしていたなと、グレンはぼんやりとそのやり取りを眺めていた。祖父が自分の金庫の鍵を持っていただなんて知らなかった。でも、つい今日未明に出会ったばかりの人が自分の金庫の鍵を持っていた、という話よりは身内が持っていた方がまだ自然なんじゃないだろうかとも思える。そもそも、ハリーの両親の財産を仕舞った金庫の鍵が、一体どういった経緯を辿って原作では「禁じられた森の番人」の元へ辿りついたのだろうかが不思議だ。ホグワーツ学校長の手に在っただろうことは推測出来るのだが。
「確認致しました。それでは金庫に案内致しましょう」
慎重に鍵を隅々まで調べ終えた子鬼は、そう言ってからグレン達を地下にある金庫に案内した。グレンがそこで必要なお金を引き出し終えてグリンゴッツのホールに戻ると、モラルドはグレンに金庫の鍵を渡した。
「これはお前が持っていろ。これから先、お金は必要になるだろうからな」
グレンはその言葉に頷くと、鍵を受け取って魔法のかかった巾着袋に仕舞った。この巾着袋はグレンが今日鞄代わりに使っている。持ち主以外が中身を取り出すことは出来ないし、失くすこともない特別製だった。
お金を引き出し終えたので、グレン達はグリンゴッツを後にした。ちょうどその時、グレンはグリンゴッツに行く所の髭も混じって毛むくじゃらの大男を見た。
グレンはその人物を見て思わず「あっ」と声を上げて、そしてしまったと後悔した。モラルドも大男もその声に気付いてグレンを見た。彼には会ったことが無いから知らぬ振りをしなければいけないのにし損ねてしまった。2メートルをゆうに超えるこの大男は、実際に目にしたことがなくても、それは明らかにルビウス・ハグリットだった。
ハグリットはグレンをまじまじと見てから、そして恐る恐る尋ねた。
「お前さん・・・ひょっとしてポッターの子か?」
「うん・・・そうだよ」
グレンは、迂闊なことをしてしまったと冷や汗を掻きながらも頷いた。恐らく、父のジェームズとそっくりだからハグリットは分かったのだろう。実際、ハリーもジェームズにそっくりだと、原作では何度も書かれている。
ハグリットはグレンの返事を聞いた途端、目をキラキラと輝かせて子供のようにはしゃぎだした。
「そうか!やっぱりグレンか!お前の父さんとそっくりだからすぐ分かったぞ!随分と大きく
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