GGO編ーファントム・バレット編ー
57.それぞれの決意
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.。死銃はどうなったんだ!?」
黒髪を少しなびかせながらキリトは、少し小さな声で口にした。
「一応、撃退はした。でも、またいつ襲ってくるか」
「それなら......」
俺は、重い体を洞窟の壁に沿いながら立ち上がらせ、足を一歩踏み出した。だが、体がよろめき倒れそうになる。
「まだ無茶よ、シュウ!」
倒れそうになる俺の体を小柄な少女が支える。
「すまねぇ。でも、あの死銃は俺が倒さねぇと。あいつとは、俺が決着をつけねぇと」
「それは、俺たちもだ、シュウ」
キリトは、立ち上がり洞窟の入り口方向を見つめている。まだ、さっきのバギーの爆発時に出現した炎が残る入り口を。
「とりあえず、これを飲め」
キリトから投げられた支給品の応急薬を飲み干し、俺は少しの間、回復を待つ。
「あなたが一人で戦おうとした私に言ったんでしょ?その人が死ぬときは、他の中にいるその人も同時に死ぬんだって。もう私の中にも、もうシュウがいるの」
そういい小柄な少女は、自分も震えているのに俺の体を強く抱きしめる。
「......そうだったな」
(自分で言った言葉なのに忘れるなんてな。俺は、とんだクズ野郎だな)
震えながらも俺に大切なことを思い出させてくれた少女を俺も強く抱きしめる。
「すまねぇ」
唇を一度強く噛み締め、一度深呼吸をして言葉を吐く。
「キリト、シノン......死銃を一緒に倒してくれないか。俺は、あいつを倒して過去の亡霊とケリをつけたい。身勝手な理由だってのはわかってるだから.......」
その言葉を遮ったのは、黒髪ロングの少年だった。
「それは俺も一緒だ。過去の亡霊とケリをつけたいのはな」
「私もあいつとケリをつけたい」
俺だけがあいつを倒したいと思っていたわけじゃなかった。俺たちは、過去の亡霊である殺人ギルド《ラフィン・コフィン》を。シノンは、自分の恐怖との決着を。
「ここまで一緒に来たんだ。最後まで、三人で戦おう」
「......でも......もし君が、あの拳銃に撃たれたら......」
「あんなの、所詮旧式のシングルアクションだわ」
「あの拳銃でシノンは撃たせない。絶対にな」
自然と口から出た言葉に自分でも驚いた。シノンは、俺の胸に顔をうずめながら小さな声で何かを言っている。だが、全く聞こえない。
「仮に私が撃たれても、あなたたちがその剣で楽々はじき返してくれるでしょ?連写速度なんか、アサルトライフルの何十分の位置なんだから」
震えを押し殺しながらそう言ってのけたシノンに、俺とキリトは小さな笑みがこぼれた。
「ああ......、決して君を撃たせやしない」
「絶対に君を守って見せる」
「
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