第六話「絶望の中の抵抗」
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ーーー作戦開始から3時間45分
「……クソ!これじゃ何人生きてるのか、分かったもんじゃねぇ!」
地獄の中で、オルテガは仲間を必死に探し続けた。
「こりゃ建物の破損チェックどころの騒ぎじゃないなぁ…」
ため息を吐きながら、走るオルテガに付いていくフィン。
その二人の先頭には、超人的な強さで感染者を蹴散らす兵士が一人。
白髪の兵士、ブランクだった。
「……邪魔だ」
彼の前に立ちはだかる感染者は、ことごとく狩られる。
その強さはまさに圧倒的だった。
感染者が目の前に4体居ても、お構い無しに突っ込む。
一体の首をククリで斬り、掌底で吹き飛ばす。
更に、噛みついてきた感染者の下顎に左フックを浴びせる。下顎が勢いよく吹き飛ぶ。
下顎を失った感染者の頭を掴み、別の感染者目掛けてぶん投げた。二体共、首がへし折れる。
後ろから迫ってきた感染者には、渾身の裏拳が見舞われた。ゴキゴキッと骨が粉砕する音が響く。
あっという間に4体の感染者が倒された。
「おいおい…いくらなんでも強すぎだろ……」
オルテガが驚いたのは、実力もそうだが、その腕力。
ただ殴っただけで骨を粉砕するなど、人間にできるものか?
右手に持っているククリなど、ただのお飾りのように思えてきた。
「なぁ、あんた本当に人間かぁ?」
オルテガより先に、フィンが質問する。
「………さあな。自分でもよく分からない」
「…あんたみたいな奴、(エクスカリバー)内に他にも居んの?」
「……なんでそんなことを聞くんだ?」
「別に〜?気になったからぁ?」
ブランクとフィンの会話を聞いているうちに、オルテガは何かを見つける。
あれは……ユニとソレンスか?
オルテガはフィンとブランクを呼び止め、急いで二人の元へ駆け寄る。
「おい!お前ら無事だったか!?」
その声を聞いて、二人は同時に振り向く。
「!? オルテガ、フィン!? お前ら生きてたのか!」
「生きてたよぉ〜♪」
「感染者共を殲滅するまで死ねるかよ」
今までソレンスの後ろにいたユニが、オルテガとフィンに抱きついて泣き始めた。
「グスッ……二人共、生きててよかった……よかったよぉ………」
「お、おい、ユニ…」
「……こうも喜ばれると、素直に嬉しいねぇ」
その一方、ソレンスはブランクを見つめた。
直感的に普通の兵士には見えないと感じた。
「あなたが、俺の同期を?」
「………あぁ、偶然二人を見つけたからな。」
「…ありがとう。おかげで俺は、大切な友人を失わずに済んだ」
「………そうか…ところで、周りに他の兵士はいないか? 新兵でもベテランでもいい」
それを聞いた瞬間、ソレンス
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