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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
七十四話:レヌール城にハイキング
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てあまりにアレなので、適当な場所にお弁当を広げて準備した後は、景色を眺めつつスラリンとお話ししながらヘンリーを待ちます。
「スラリン。昨日は、お酒飲んだの?」
『のんだ!おいしい、おさけ!』
「スラリンは、飲めるんだ。そっかー。いいなー」
『ドーラ。のまない?』
「うん。私は、飲めないの」
『ドーラ。かなしい?』
「ううん。好きなわけじゃないから、いいんだけど。雰囲気に混ざれないのが、ちょっと残念なだけ」
『スラリン。のまない』
「いいんだよ、スラリンは。飲めるときは、飲んでも。お金がかかるから、いつもは無理だけどね」
『スラリン。のむとき、のむ』
本当に、素直な良い子だ。
そして、可愛い。
「スラリン。昨日ヘンリーと一緒で、どうだった?優しくしてもらった?」
『ヘンリー。やさしい』
「そっか、良かった。……ヘンリーのこと、好き?」
『ヘンリー。すき!』
……くっ!
それは、良かった!
「……私よりも、……好き?」
肯定されたら、割とガチで泣きますが。
でも、聞かずにはいられない。
『ドーラ!すき!』
「そっかー!私も、大好きだよー!」
思わずスラリンを抱き上げ、思いっ切り抱き締めます。
抱き潰さない程度に。
『スラリン。ドーラ、すき。ヘンリー、ドーラ、すき』
「え?」
……今のは?
というところでヘンリーが走ってきて、スラリンを奪い取ります。
「あ。お帰り」
正しくは、いらっしゃいかもしれないが。
ある意味、帰ってきたで合ってる。
「……今!……何、話してた!」
「え?スラリンはお酒が好きで、私とヘンリーが好きだって」
「……それだけか?」
「うん。あ、あと」
「なんだ!」
「ヘンリーが、優しいって」
「……そうか」
ヘンリーがスラリンを抱えたまま、私から離れて行きます。
なに?
なんか、内緒話?
ヘンリーが何言ってるかは全く聞こえませんが、
『わかった!スラリン、いわない!』
という、スラリンのいい返事が。
なんだ、なんだ。
口止めなら、昨日のうちにしておけばいいのに。
まあ、その場の流れとかあるし、仕方ないけど。
そんなことよりも。
「ねえ、早く食べようよ」
秘密のひとつやふたつや沢山、別にあってもいいけど。
とりあえず、お腹がすきました。
「おう。今、行く」
『スラリン!たべる!』
しかしヘンリーはスラリンの言うことがわからないはずなのに、たった一晩で随分と通じ合ったものだ。
意外とモンスター使いの才能、あるんじゃね?
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