閑話
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「なんだ? ヒュームが苦手だったか?」
「そうですねー……、あのじいさんは基本的に会いたくない人です」
「ほう。お前にも苦手なものがあるとわな」
揚羽はそれを聞くと手を口元にあて、苦笑していた。
「いやー……雰囲気的に近寄りがたいと言うかなんというか……」
「なるほどな。っとそろそろ時間だ、ではな千李。百代にもよろしく伝えておいてくれ。ああ、あと娘ができたらしいな。今度紹介してくれ」
「はいはい。じゃっ仕事がんばってください」
揚羽はそのまま振り返らずに、手だけを振ってその場から去っていった。
「さてと、私も帰りますかね」
千李は踵を返しその場をあとにした。
帰りは走ることはせず普通に帰っていた千李だがふと立ち止まった。
「ん? あれって……忠勝に宇佐美先生?」
千李の視線の先には忠勝と川神学園の教師である宇佐美巨人の姿があった。二人はなにやら真剣に話しているようだ。
「あー……そういえば前忠勝が宇佐美先生のとこでバイトしてる的なことを聞いたわね。それに宇佐美先生って確か忠勝の保護者だっけ」
千李は思い出したように手を叩くと、にやりと笑い。
「面白そうだから私も手伝ってみましょうかね」
彼女はそのまま二人の下に歩いていった。
「ちょいちょいそこのお二人さん」
「あん?」「ん?」
声をかけると二人が怪訝そうに千李のほうを見る。
だが千李を確認すると忠勝の方は少し会釈をし、巨人の方は少しだけバツが悪そうな顔をする。
「なんかようかい? 川神長女」
「たまたま二人の姿が見えたんで少し声かけてみようかと思いまして」
「本当は?」
「なんか面白そうだから声かけてみた。なんか仕事するんでしょう? 私にやらせてくんない?」
巨人の切り返しに千李は親指を立てていい笑顔で答えた。
一方巨人は、やっぱりね、などといいながら眉間を押さえている。
「まぁなんだ……生徒はさっさとおうちに帰りなさいなって言いたいんだけど、忠勝につき合わせてる俺が言えたもんでもないか」
「そうですね。でも二人でやるよりは三人でやった方が早く終わりますよ?」
「そうかねぇ……でもいっかー。お前強いし、襲われるような心配もないだろう。でもホントにいいのか? 給料少しだぞ?」
「別に金がもらいたくて来た訳じゃないって」
千李が鼻で笑いながら言い切ると、巨人も頷きながら仕事内容を告げた。
「仕事は簡単な見回りだ。危なげな連中見つけたらちょっとお灸を据えてやる感じだな。忠勝と川神長女は二人で行け、んで俺は一人で行く。二時間後またここでな」
「ああ」「りょーかい」
千李と忠勝
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