第一章 [ 胎 動 ]
十三話 帝都防衛戦 後編
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何だこれは、そう思った時ふと自分の胸に刺さる刃を見る。まさかこれか。まるで自分が食われていく様な感覚。意識が段々と薄くなる、自分が消えていく。
「ふっ……ハ……ハハハハッ!――――見事だ…」
塵となって消える間際に紅髪の口から出たのは最初で最後の敵への賞賛だった。帝都を恐怖で染めた怪物はここに消滅した。
そして勝利者である虚空はそのまま戦場に倒れた。
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王宮の地下。
そこに光る卵の様な物が鎮座している。「メギド」と名付けられた自爆装置。使われる事など無いと誰もが思っていた。しかし愚か者によってその卵に火が入れられる。その内で破壊の為のエネルギーを溜め込み続け、そして遂にその卵は孵化した。
一瞬にして地下室は消え去り、
長い時間、帝都の政を行い帝都の象徴とも云うべき王宮を消し去り、
人々が生活をしていた歴史や思い出が詰まった町を消し去り、
幾度も妖怪の脅威から帝都を守ってきた外壁を消し去り、
激しい戦いがあった戦場を消し去り、
戦場を跋扈していた妖怪を消し去り、
そして戦場に倒れた虚空をも飲み込み、
その破壊のエネルギーは100キロ圏内を完全に消し去った。まるで最初から無かったかの様に人類の歴史は地上から消え去った。
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今日は最後のシャトルが到着する日。つまりあいつがようやく月に来る。しょうがないからあいつを出迎えてやろうと思ってシャトルの管制所にムツミと一緒に向かった。
そこには永琳もいて「騒がないでくださいね」なんて言って来た。失礼しちゃうなもー。管制所の窓からシャトルの着陸所を見てみる。そこでは家族なのだろう到着した人達が喜び合っていた。
その光景を眺めていたら急に管制所が騒がしくなった。振り返るとさっきまで帝都が映っていたモニターが真っ黒に染まっていた。しばらく真っ黒だった画面がすごく光ったかと思ったらモニターには何も無い地面が映っていた。
「どういう事「何が!「て、帝都が「これはまさか「メギド!いや馬鹿な!「間違いない!メギドだ「一体誰が!「守備隊は「連絡を…
皆が大騒ぎを始めた。何が起こったのだろう。
「一体何事だ!」
管制所の入り口からお父様が入ってきた。
「劉禅様!実は――――」
お父様に何かを説明しているみたいだ。その時一瞬だけお父様が誰かを見ていた。視線の先にはえーと確か…サイガっていう議員がいた。そいつは何故か笑っている様に見える。
お父様が皆になにか指示を出して
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