第一章 [ 胎 動 ]
十二話 帝都防衛戦 前編
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背後から声を掛けた。
「何?仲間割れ?」
「ふん、俺に仲間などいない。こいつ等が分際も弁えず挑んできたから始末しただけだ」
僕の問いに振り向きながら紅髪は答える。
「そうなの、じゃぁついでにこの辺りにいる妖怪も消してくれない?」
「態々雑魚の相手をする気は無い。それよりも中々小癪な真似をしてくれたな」
どうやら封印はお気に召さなかったようだ。当たり前か。
「しょうがないよ、人間は力で勝てなかったら知恵を使うんだ」
「なるほどな。だが二度は通じんぞ」
そう言い放ち赤髪は戦闘態勢を取る。言われなくても解っている、どちらにしてもあの作戦はもう使えない。
僕は両手に霊刀を握り構える。これからやるのは命懸けの時間稼ぎだ。
紅髪の動きを見落とさないよう意識を研ぎ澄ます。瞬間――――爆発的な加速であいつが突っ込んでくる。
凄まじい速度……だけど――――
「人は…学習できるんだよッ!」
紅髪が繰り出してきた左拳の軌道を避けつつすれ違い様にカウンターで奴の右肩を切り裂く。
「何!?」
カウンターを受けた紅髪が驚愕の表情で振り返る。先手は取った――――あとはこの優位を利用出来ればいいんだけど……
「驚いたぞ!ハハハッ!いいな人間!」
「あんたと闘り会うのはこれで3回目。これぐらい出来るようになるさ」
正直に言えばただの強がり。でもこれであいつが攻めあぐねてくれれば儲け物だったけど僕の思惑とは裏腹に紅髪は妖力を高めていく。
「では続きといこうか!楽しませてくれよ!」
その言葉で僕は気合を入れ直す――――ここからが本番だ。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
「くっ!」
紅髪の一撃で派手に吹き飛ばされ僕の体は地面を抉る様に転がる。やっぱり一人でどうにかできる相手じゃないな。時間稼ぎに徹してこの様だなんて。
そんな愚痴を心の中で溢しながら上体を起こす。すると突然後ろから殺気を感じ横に思いっきり飛ぶ。
回避するのと同時に僕がいた場所に五メートルはあるミミズの様な妖怪が牙を突き立てていた。
しまった、主戦場まで後退していたのか。周りを見ると無数の妖怪が僕に視線を向けていた。その内の一匹が襲い掛かってくる。
「GGooaaaaaa!!」
その妖怪を斬り伏せ続くように飛んでくる妖怪達の攻撃をかわし続ける。あいつの相手で手一杯だっていうのに。
そして妖怪達は僕を包囲するかのように動き出す――――がその妖怪達の一角に突如爆発が起こる。
「七枷を援護する!撃て!」
近くにいた分隊が駆け付けてくれたらしい。妖怪達に次々銃撃が加えられる中その分
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