第一章 [ 胎 動 ]
九話 約束
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「これでもう2度とあんたの顔を見なくていいと思うと清々するわ!」
「いや別にこれ今生の別れとかじゃないから」
輝夜といつも通りと言えばいつも通りのやり取りをしているここは月に向かうシャトルの待合室。永琳達の見送りにきたら輝夜とムツミさんが居た。
議会の方針で子供や非戦闘員を優先で月に送る事が決まっており準備が出来た人達は早々に出立させるらしい。
輝夜も永琳と一緒に行くように劉禅さんに言われたそうだ。後は庵さんの娘さん達も今回の便で行く事になっている。(庵さんが朝電話で泣きながら教えてくれた)
「ふん、あんただけここに残ればいいのよ」
「ひどいなー」
「あらあら〜、だめよ〜輝夜ちゃんそんな事言っちゃ〜」
輝夜に対して鈴音さんがそう注意する。この二人実は知り合いだったとさっき聞かされたのだ。こうして見ると親子のようだ。
「うっ、ごめんなさい」
「は〜い、いい子ね〜」
鈴音さんにはやたらと素直だな。
「輝夜ちゃんは〜本当は〜コー君の事が心配なのよね〜」
「うん。…ってち、違う!!」
「そうなのか♪よし頭を撫でてあげよう」
ワシワシと輝夜の頭を撫でる。
「違うって言ってるでしょ!頭撫でるな!このっ!このっ!」
輝夜は顔を赤くしながらゲシゲシと僕の足を蹴ってくる。地味に痛いよ。
「痛い痛い。これでも怪我人なんだよ」
「ふん!知らないわよ!」
「あら、お兄様ったら姫様とそんなにイチャイチャして」
「イチャイチャなんかしてない!!」
「何?永琳ヤキモチ?」
「ええ、だって私はお兄様が大好きだもの?」
「その台詞が疑問文じゃなければ喜べたんだけどね。でも僕は永琳の事は輝夜の50倍好きだから♪」
「どんだけ差があるのよ!!」
「まぁ〜永琳ちゃんったら羨ましいわ〜」
「大丈夫ですよ。鈴音さんの事は輝夜の45倍位好きですから♪」
「だから差があり過ぎるでしょ!!」
「うーん……じゃあ庵さんの事は輝夜の1.2倍位だよ?」
「庵にすら負けてるの!!!」
「皆様そろそろ…」
遠慮がちにムツミさんが声を掛けてくる。そろそろ出発の時間の様だ。こんなやり取りも暫く出来なくなるな。
「次に会うのは月だね」
「コー君〜あまり無茶したらダメよ〜」
「善処します」
「…ちょっとあんた手出しなさいよ」
「え?何で?」
「いいから!!」
そう言うと輝夜は僕の手を無理やり引っ張り掌に何かを渡してきた。
「ペンダント?」
「お守り代わりに貸してあげる!いい絶対に後で返してよ!」
どうやら輝夜なりに気を使ってくれたらしい。
「わかったよ必ず返す
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