第一章 [ 胎 動 ]
八話 迫られる決断
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的中した。
「まずは我々のような重要な立場の者を優先して順に必要な住民達を送ればいい。もし間に合わなかったとしても犠牲になるのは不必要な住民で済む」
反吐が出る。何故この男はそんな事を平然と言えるのか?何故何人かは彼に賛同しているのか?私の心は怒りで染め上げられていた。
「ふざけるな!「いやその通りだ「まず我々のような選ばれた者が「恥を知れ!「何が間違っている「貴様ら!「必要な人材さえ「誰がそれを………
再び怒号の嵐が吹き巻く。落ち着けようと私が口を開こうとした時、
「いい加減にせんか!!!!!!!馬鹿共が!!!!!!!!」
議場に怒声が轟く。怒声を発したのは普段議会に口を挟まない劉禅様だった。あまりの威圧感に議場にいる全員が押し黙る。
「帝都の政を司る者がそんな様でどうする!!!!我等の判断が帝都の民の命を左右するのだぞ!!!!喚き散らかすだけなら誰でもできる!!!」
劉禅様の叱責で冷静さを取り戻したのか皆バツの悪い顔をしている。
「まずやらなければならない事を間違えるな!伊邪那岐!」
「はっ!」
劉禅様の隣に座っていた伊邪那岐が答える。
「王宮守護団から守備隊に応援部隊を出せ。早急にだ!」
「しかし守護団の大半が妖怪との戦闘経験がありませんが…」
「後方支援位はできるであろう!帝都の危機に甘えはゆるさん!」
「了解いたしました。直ちに編成を行います!」
そう言い残し足早に議場を後にする。
「伊邪那美」
「はい!」
「すぐに全技術者、科学者に通達を出せ!明日の朝までに出立の準備をせよ、とな」
つまり移住計画を発動するということか?劉禅様の発言を聞いて斎賀がニタリと笑う。あんな者の言った事を鵜呑みになさるのか?
私のそんな疑念を知って知らずか劉禅様が続ける。
「住民にも計画発動を伝えよ。まず女、子供を含む非戦闘員を優先して送り出す」
その発言を聞いた斎賀が唖然とする。
「お待ちください!この様な時こそ我々のような…」
「その通りだ。この様な時こそ我々が“最後”まで住民を導かねばならん!」
なるほどそういう事か。
「すべての住民が避難するまでここで指揮を執り続ける。異論は聞かん。時間が無いぞ、すぐに動け!」
その号令で皆慌しく議場を後にする。
「では我等も行くぞ。忙しくなるが頼むぞ」
「お任せください。必ずや成功させましょう」
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
目の前に広がる一面の銀。銀色の草原に僕は立っていた。
『これって夢?』
なんとなくこれが夢だと感じた。周囲を見渡す。ど
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