第一章 [ 胎 動 ]
六話 指導者
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なんでしょうか?」
生真面目に解りきった事を聞く鏡真さん。どうせいつもと同じで僕の拉致?だろ。なんて思っていたら以外にも答えたのは黄泉総団長だった。
「本日は盟主 蓬莱山 劉禅(ほうらいさん りゅうぜん)様よりいつも輝夜様の遊び相手を勤めてくださっている七枷殿を持て成したいという事でご招待に参じました」
今なにかすごい事を言われた気がする。輝夜も知らなかったのかポカーンとしていた。
「そういう訳でして七枷殿にはすぐにご同行願いたいのですが朔夜総隊長よろしいか?」
話の内容にすこし呆気にとられていた鏡真さんは慌てて許可を出した。
「解りました、では七枷君すぐに準備をしてくれ」
「え?あ、はい…了解しました」
どうやら予想外の事態になってきた。
「?えっ?えっ???」
そして輝夜はまだ混乱していた。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
車での移動中、僕は落ち着けなかった。これからお偉いさんに会うから緊張している、とかでは無い。目の前に座っているお方の視線というか圧力のせいだ。
僕を威圧している人物 黄泉総団長に思い切って聞いてみる。
「あの、僕に何か?」
「いや別に…」
そう返してきたが視線は鋭いままだった。これまでも何度か一緒になる事があってこういう視線を向けられる事はあったけど今日は特別きついな。
そんな黄泉総団長の視線に耐えられなくなったのか僕の隣に座っていた輝夜がいきなり叫んだ。
「あー!もー!迦具土いい加減にして!息が詰まるでしょ!」
別に輝夜に向けられていたわけじゃないだろ、そう心の中で突っ込む。輝夜にそう言われた黄泉総団長は、
「えっ!いえいえいえいえ!じ、自分は輝夜様を睨んでなどおりません!誤解なさらないでください!はい!」
めっちゃ狼狽した。実はこの人輝夜にめちゃくちゃ弱い!とんでもなく弱い!輝夜が我侭なのはこの人のせいじゃないのかな、と思う程である。
そしてなぜか僕に向けて怒気の篭った視線を突き刺してくる。なんで?
「……迦具土?」
「は、いえ、ええと、申し訳ありません輝夜様!」
はぁ、早く目的地に着かないかな?
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
ついた場所はやたらと立派な屋敷だった。広さなら守備隊の兵舎くらいだ。門を抜けた先正面玄関と思われる所には執事やメイドさんが整列しており、輝夜が車を降りると、
『おかえりなさいませ、輝夜様』
と見事なコーラスが流れた。僕がこの状況に驚いていると輝夜がこっちを向きドヤ顔してきた。いや
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