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東方虚空伝
第一章   [ 胎 動 ]
五話 この世界の現実
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れ、そして上から蟷螂妖怪の追撃が放たれる。これをなんとか回避し体制を立て直すが直後再び蜘蛛女が毒を飛ばしてきた。なんとかそれを霊弾で相殺する。

「往生際が悪いわね!素直に死になさい!」

 蜘蛛女がそう言い放つ。

「いやー、人間って諦め悪い生き物なんだよ」

 脅威にさらされた位で死ぬ程度だったらとうの昔に絶滅している。

「それに、あまり人間をなめないほうがいいよ?」

 そう言うと僕は能力を発動する。

傲慢(ルシファー)

 そう唱える同時に僕の手に刃渡り六十センチ程、刃幅三センチの刀、小太刀が現れる。この剣は質量のある幻を創造する事ができる。但し無機物限定だけど。 
 そう例えば――――それを横に振ると突如、四機のバリスタ(大型弩砲)が出現する。突然そんな物が現れた事に驚いたのか妖怪達の動きが鈍る。
 バリスタの狙いを像妖怪に向け発射。

「GuuuuGaaayyyy!!!!!」

 本来ならありえない連射速度で放たれる矢に防御が自慢だったであろうそいつはあっという間に粉砕される。

「こ、こいつ!よくも!」

 像妖怪が塵になったところでようやく残りの二体が動き出す。毒の液体と鞭攻撃が飛んでくるがその全てが空中に現れた幾つもの盾に防がれる。
 小太刀を上段に構えると今度は二十を越える槍が展開された。狙いは蟷螂妖怪。小太刀を振り下ろすとそれに合わせるように槍の群れが弾丸の如く撃ち出される。

「キュァァァァ!!!」

 蟷螂妖怪は抵抗する間も無く打ち砕かれた。それを見て自分の不利を悟ったのか蜘蛛女は逃走を始めた。

「きょ、今日は見逃してあげるわ!」

 完全に負け犬の台詞を吐き森の奥に消えようとするそいつに意識を集中する。

「悪いけど、逃がす気無いから」

 すると僕の頭上に五十メートル越す巨大な剣が現れた。生身では扱えなさそうなそれを投槍感覚で蜘蛛女に投擲する。

「ひっ!イヤァァァァ!!!!」

 圧倒的な暴力となって迫るそれに抗えるわけもなく蜘蛛女は周りの地面や木々ごと消し飛んでいった。
 凄まじい轟音が樹海に轟く。そこで気付いた。もしかして僕、

「……無駄にやり過ぎたかな?」

 そう呟いた瞬間、背後に殺気を感じその場でしゃがみ込む。するとさっきまで頭があった場所を霊気を纏ったナイフが駆けていき、そのまま進行方向に在った岩を粉々に粉砕してしまった。

「……本気で殺す気か?」

 襲撃者に対し僕はそう訴える。

「あ な た ね ッ !!なんて事してるのよ!!ここまでしないといけないほど苦戦したの?してないわよね!!」

 襲撃者美香はひどくご立腹のようだ。まぁ理由は解るんだけど。

「あぁもう!しょうがないわ、
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