第一章 [ 胎 動 ]
五話 この世界の現実
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「仕留めたからと言って気を抜かない!常に周囲を警戒しなさい!」
三人が慌てて周りを見渡す。慌て過ぎだよ。でも油断すれば本当に危険なのは事実だ。ここは僕達にとって敵地なのだから。
「装備の点検をして問題が無ければすぐに出発します」
美香がそう言うと装備の点検を始める。僕は霊刀だけなのですぐに終わる。基本的な隊員の装備は霊刀一本、人によっては二本、特殊マシンガン、炸裂弾である。すべて永琳特製の最新型だ。
個人で装備は選べるので自分に必要と感じない物は持たなくてもいい。新人は基本装備は全部持たされるのでチェックが少し大変だ。
点検が終わり進む事にする。見渡すかぎり樹木の檻。何かが隠れるには絶好の環境だろう。そして案の定樹木の死角に気配を感じる。
「……まったく、本当にどれだけいるんだよ」
ついぼやいてしまう。本日四回目の妖怪との遭遇だ。だけど向こうは隠れたまま動こうとしない。
感じる気配からして五体。さっきまでの雑魚とは違うようだ。
行動方針を美香に通信で尋ねる。
(前方に三、後方に二、どうする?)
(さすがに無視はできないわね、前方の三体押さえられる?)
(う〜〜〜〜ん、勘だけど多分いける?)
(なら任せるわ。能力持ちかもしれないから気を付けなさい)
(それはそっちも同じでしょ?じゃ行きますか!)
通信を切ると同時に前方に飛ぶ。
岩陰に隠れていた鼻のない像ような妖怪に霊弾を浴びせる。しかし全弾直撃したはずのそいつはほとんど無傷だった。
「嘘ー…っ!?」
上の方から嫌な感じがしたためバックステップしてその場を離れた直後さっきまでいた場所が何かに抉られた。
上を見ると木の枝に蟷螂のような妖怪いた。だが両腕は鞭のようになっている。さっきのはあの腕か。
「そんなんじゃその子の防御は貫けないわよ」
突然声が響く。いつの間にか岩の上に女が立っていた。いや女のフォルムはしているが下半身は蜘蛛のようだった。蜘蛛女は嗤いながら僕に言い放つ。
「人間がここにのこのこやって来るなんて、そんなに死にたいの?なら望み通りにしてあげる!」
蜘蛛女はそう言うと両手から液体のような物を放つ。
「別に死にに来たわけじゃないよっと!」
飛んでくる液体を避けると液体が落ちた所がドス黒く変色した。
「毒?」
「そうよ、私の能力『毒を造る程度の能力』よ!存分に苦しめて殺してあげる!」
蜘蛛女が再度液体が飛ばしてきた為それを避けようとした瞬間
「GuuuGoooaaaaa!」
像のような妖怪が図体に似合わない速度のショルダータックルで突撃してきた。
「ちょっ!その図体で速いって!」
避けきれず吹き飛ばさ
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