第一章 [ 胎 動 ]
二話 その夜…
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ああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
またある時は――――
「相手を倒す為に重要な事それが攻撃だ!攻撃は最大の防御とも言うしな!攻撃に必要な事、言わなくても分かるな?そう気合だ!さぁ俺を攻撃してみろ!遠慮はいらん!」
「分かりました!今迄の恨み受け取れーーー!!!」
僕の拳が庵さんの腹部を強打する。
「ガフっ!痛てーーなコンチキショーーー!!!」
庵さんのカウンターアッパー!
「ゲフッ!り、理不尽だ……ガクッ」
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
今更ながらに怒りが込み上げてきた、いつか仕返ししてやる。ふと横を見ると僕達の話を聞いていた永琳が難しい顔をしていた。
「………」
「永琳?どうかしたの?」
「えっ!な、なんでもないわ!気にしないでお兄様」
永琳はらしくなく慌てた口調でそう言うが、そんな事言われたら逆に気になるんだよ…。
「!!ご、ごめんなさい!私無神経な事を!!」
何かに気付いた美香が急に謝罪した。そこで僕も思い出した、六年前ってことは――――
「永琳、あの事故の事を思い出していたの?」
六年前の事故。当時永琳が参加していたプロジェクトの研究施設が爆発事故を起こしたのだ。確か永琳の父親もそこで働いていたらしい。
そのとき僕と僕の母さんもその研究施設にいたらしく事故に巻き込まれたらしい――――のだが実は僕はこのあたりの記憶が殆ど無いのだ。
憶えているのは目が覚めた時にそこが研究所のベッドの上でポロポロ涙を流して僕にしがみ付いてきた永琳の事だけだ。
後になって僕が一週間寝ていた事――――僕の母さんと永琳の父さんが死んだ事を聞かされた。僕の父親は物心付く前に死んでいるので唯一の家族がいなくなった事は相当にこたえた。
そんな僕を気付勝手か鈴音さんが「うちに〜〜いらっしゃい」と言ってくれたのでその時は素直にその言葉に甘えることにしたんだったな。永琳がお兄様って呼ぶようになったのもその頃からだったはずだ。
そんな事があったから特に永琳にとっては六年前の事は触れたくない事なのだろう。だというのにその事をすっかり忘れていた僕はどんだけ間抜けなのだろうか…。
「…ええ、まぁ……」
そう言って永琳が暗い表情をする。どうしよう、なんて言えば良いのか解らない…。僕がそんな事を考えていたら、
「あらあら〜〜、だめよ〜、せっかくのコー君のお祝いの席なのに〜そんな顔をしたら〜」
いつもの調子で鈴音さんがそう声を掛けてきた。
「さぁさぁ〜、暗い話題は〜アッチに置いといて〜飲みましょう〜。ハイ、コー君どーぞ〜」
鈴音さんが僕のグラスにお酒を注いでく
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